HOME > 法律コラム > 「女性専用車両からオッサンは出てけ!」と注意されたり追い出されたりしたら何かの罪に問えるの?
もう少しで出発する電車。乗り遅れたら会社に遅刻。改札から階段を降りてすぐのドアに飛び乗り、何とかギリギリセーフ!と安心したのも束の間、そこは女性専用車両。
目的の駅まではすぐだからと、よそよそしい顔で乗り過ごそうとすると、女性客から「女性専用車両からオッサンはでてけ!」と罵声に近い言葉。女性専用車両には男性の乗車を禁止とする法的根拠が無いことを知っていた男性が言い返すと二人の口論はヒートアップ。
もしも女性客から「女性専用車両から出て行け」と指摘されたり、あるいは無理矢理追い出されたりした場合、何かの罪に触れるのでしょうか?鈴木翔太弁護士に聞いてみました。
女性専用車両に男性が乗車することは、法的に禁止されていることではありません。
しかし、現実に多くの鉄道利用客の協力のもと女性専用車両が運用されていることを考慮すると、女性専用車両に乗車している男性客に対して、当該車両が女性専用車両であることを指摘することは問題ないと考えられます。
ここで、単なる指摘を超えて、車両から男性客を突き出して降車させてしまうと、暴行罪(刑法208条)が成立する可能性があります。駅員が無理に男性客を引きずり出す場合も同様に、暴行罪が成立する可能性があります。また、口頭での注意も度を超えてしまうと,侮辱罪(刑法231条)が成立する可能性があります。
女性専用車両を有効に活用するには、国土交通省の説明のとおり、「利用者の理解と協力」が欠かせないようです。