HOME > 法律コラム > 【衝撃の事実】え? 自転車もスピード違反で捕まるの?!
便利なことは勿論、健康に良い、あるいは経済的といった理由で、今自転車が非常に注目されています。
しかも、それは利用者としてだけではなく、環境に良いといったことからも、世界中で自転車の活用を促す政策とそれに伴う整備が実現されてきています。
しかし、それと同時に自転車の交通事故も顕在化されてきており、利用者に対するマナーやルールの周知が急務ではないでしょうか。
今回は自転車の道路交通法について、交通事故に詳しい峯岸孝浩弁護士に話を聞いてみました。
まずは自転車のスピード違反について、クロスバイクやロードバイクは30~40km/h以上のスピードも可能ですが、自転車にも速度違反はあるのでしょうか?
『はい、自転車でも速度制限を受ける場合があります』
『車両(自転車を含みます)は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度をこえる速度で進行することはできません(道路交通法22条第1項)。例えば、道路標識で速度制限時速30キロと指定されている道路を走行する場合は,自転車でも時速30キロの速度制限があります』(峯岸孝浩弁護士)
自転車にはスピードメーターの装備が義務化されてないとは言え、やはりそこにはしっかりとしたルールがあったようです。
先ほどの峯岸孝浩弁護士は「速度制限が指定されている場合、その速度を超えると違反」と言いました。これは、逆に「速度制限がない道路であれば、スピード違反にはならない」ということでもあるのでしょうか?
『速度制限の表示がない道路では、自転車に速度制限はありません』
『車両(上記の通り自転車を含みます)は、最高速度が指定されていない道路においては「政令で定める最高速度」をこえる速度で進行することはできません(道路交通法22条第1項)。しかしながら、政令は自動車や原動機付自転車について最高速度を定めているものの、自転車については最高速度を定めていないのです』(峯岸孝浩弁護士)
自転車だけは、政令で定められた最高速度が無いのですね。しかし今後、自転車の利用者が増えるとともに見直しが行われる可能性もあるのではないでしょうか。
平成26年に起こった自転車と歩行者の交通事故は2551件発生しており、そのうちの794件(31.1%)が都内で発生しています。
冒頭でも述べたように、自転車の利用促進は歓迎されるべきことかもしれませんが、スピード違反は6月以下の懲役又は10万円以下の罰金となるため、利用者の節度と良識が益々求められることは間違いないでしょう。