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納税者が税務調査を怖がるように、実は調査官も税務調査を怖がるその真実とは?!

税務調査対策を売りにしているOB税理士は非常に多いですが、彼らがなぜ税務調査に強いかと言えば、基本的に調査官を舐めているからです。
税務署の内情を知らない一般の方からすれば、税務職員は厳格な人ですごい知識がある、と思いがちですが、このような印象は基本調査官の実像ではありません。むしろ、事なかれ主義の公務員、というのがその実像であり、この点を知っているからこそ、OB税理士はかなり高圧的な交渉をして税務調査を乗り切っているのです。

押さえておきたい調査官の真実

話は変わりますが、以前、「元調査官が税務調査の本音を語る」というセミナーの講師を務めたことがあります。税務調査は怖くないことを如実に表現するため、私はこう切り出しました。

「調査官も税務調査は怖いんですよ。」

そのセミナーには、多数の税理士も参加していたのですが、私のこの話を聞いて、ほぼ唖然としていました。あんなに、高圧的な対応をするのに、何故なんだ?と。

しかし、これは、間違いなく真実です。

調査官が調査を怖がる理由

調査官の立場に立って、考えていただきたいと思います。当然のことながら、調査官は税金を余計にとってくることが仕事ですので、彼らに好印象を持つ方は、ほとんどいないと思います。人から嫌われることを仕事にしているのが調査官ですから、相当にストレスを感じる仕事なのです。

事実、私の現職時代の上司の話をしますと、税務調査に慣れる前は、会社のドアを開けることすらなかなかできなかったと言います。かく言う私も、最初の税務調査の際は、「本日が初めてですので、何卒よろしくお願いいたします」と切り出す始末でした。

このような税務調査に対する恐怖感は、経験が少ない調査官だけが持つものではありません。経験を積んで税務調査に慣れても、税務調査前は非常に不安になります。

怖い社長だったらどうしよう?
うるさい税理士だったらどうしよう?
分からない法律をまくし立てられたらどうしよう?

調査は強気に出たほうが効果的

調査官も調査が怖い以上、税務調査に当たっては、強気の姿勢を示すと効果的です。
調査官は高圧的、と言われますが、その背景には、高圧的な態度を許す会社の対応があることも否定できません。

怖いのは相手も一緒ですから、勇気を持って望み、有効な交渉を実現させましょう。

執筆  松嶋洋 WEBサイト
平成14年東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。国税局を退官後、経団連関連の税制研究所において、法人税制を中心とするあるべき税制の立案と解釈研究に従事。現在は、税務調査対策及び高度税務に関するコンサルティング業務に従事するとともに、税理士向けに税務調査・法令解釈のノウハウにつき講演執筆活動を行う。

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