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子供は作らないと約束していたのに、実は子供が欲しかったという夫が浮気したら慰謝料は増額?

一般的に離婚時の慰謝料は、「離婚原因となった行為の酷さ、婚姻期間の長さ、相手方の資力」で決まると言われています。今回はその「離婚原因となった行為の酷さ」について触れていきます。
例えばある夫婦が、子供を作らないと約束していたとしましょう。しかし、その後夫が浮気をし、その浮気相手を妊娠させ、更には「実は子供が欲しかった」と白状。さてこういったケースは通常の慰謝料よりも増額されるのでしょうか。この問題について離婚問題に詳しい松永大希弁護士に話を聞いてみました。

慰謝料増額の可能性あり!

まずは一般的な不貞による離婚の場合、相手方には何を請求できるのでしょうか。

「一般的に、不貞行為を原因として離婚する場合に、相手方に請求することができるものとしては、財産分与・慰謝料・年金分割が挙げられます」(松永大希弁護士)

「慰謝料は、離婚をすることで必ず発生するものではありませんが、不貞行為を原因として離婚する場合には、相手方に請求することができる場合が多いでしょう。慰謝料の金額は、離婚の原因、婚姻期間等の事情を総合的に考慮して決められることになります」(松永大希弁護士)

上述したケース、夫婦として子供を作らないと約束していたのに、それを裏切り、「実は子供が欲しかった」と白状して離婚するような場合、慰謝料は増額されるのでしょうか。

「慰謝料の金額を増額させる要素になり得ると考えます」(松永大希弁護士)

精神的苦痛が大きければ大きいほど慰謝料は増額

慰謝料が増額される可能性があるとのことですが、その理由は何でしょうか。

「精神的苦痛の度合いが大きいほど、慰謝料の金額は高くなる傾向にあります」(松永大希弁護士)

「結婚観やライフスタイルが多様化している今日において、子供を設けないという夫婦の取り決めに関しても尊重されるべき意思決定となり得ます。そのため、夫に対して請求する慰謝料を増額させる要素になり得るものと考えます」(松永大希弁護士)

子供を作らないと決めたその背景には、深い事情とともに重大な意思決定があったはずだと、松永大希弁護士は言います。つまりそれは一種の契約のようなもので、それを反故にした責任が大きということでしょうか。

ちなみに今回のケースは夫が浮気を認めていますが、不貞による離婚の多くが、相手方は素直に認めてくれません。もしもその場合、浮気があったかどうかを証明するのは妻となります。そして慰謝料の金額は、証拠の有無によっても変わるということを覚えておきましょう。

取材協力弁護士  松永大希 事務所HP
横浜弁護士会所属。藤沢かわせみ法律事務所代表。東京大学法学部卒業。首都大学東京大学院社会科学研究科修了。適切なタイミングで弁護士に相談が出来ずにトラブルが大きくなったケースを何度も見てきました。これは弁護士に対する敷居の高さが原因と考え、親身で分かりやすい弁護士を目指して日々奮闘中。

ライター 稲岡