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無断で借金の保証人にさせられたら返済義務はどうなる?一部でも返したらまずい?

「知らぬ間に保証人にされた」という話はよく耳にするが、そもそも保証人と連帯保証人の違いをご存知だろうか。

基本的には保証人も連帯保証人も、お金を借りた本人が返済できなくなった時に、代わりに返済義務を負うという点では同じである。

しかし、もしも督促があった場合に、保証人であれば「借りた本人に請求してください」と主張できるのに対し、連帯保証人はその主張が出来ない。また借りた本人が、実は返済能力を有していたら、保証人は「本人の財産に強制執行して下さい」と主張できるが、連帯保証人はその主張すらできずに返済せざるを得ないのである。

そこで今回は、親が無断で子供を保証人としたケースを想定して、そもそも返済義務があるかどうかや、一部でも返済してしまった場合にどうなるのかを、借金問題に詳しい塩澤彰也弁護士に話を聞いてみた。

子供に返済義務はない!

まずは単刀直入に、親が無断で子供を保証人とした場合に、その子供に返済義務はあるのだろうか。

「子供に返済義務はありません」(塩澤彰也弁護士)

「親が勝手に子供を借金の保証人にした行為は、法律的には、無権代理行為と言います。親であっても、第三者であっても、かかる無権代理行為によって、勝手に名前を使われた本人(子供)が、義務を負うことはありません」(塩澤彰也弁護士)

子供に限らず、無断であるならば、誰であったとしても返済義務はないとのこと。

一部でも返済してしまったら、全額の返済義務が生じるかもしれないので要注意!

では無断で保証人にされたことを認識しながらも、一部の借金を返済してしまったら、どうなるのだろうか。

「親が勝手に子供を借金の保証人にしたとしても、子供が、貸主に一部でも返済をしてしまった場合には、無権代理行為の追認として、保証人としての全額の返済義務が生じてしまうことがあります」(塩澤彰也弁護士)

これは気をつけなければならないポイントである。万が一自分が同じ立場になったとしたら、間違っても返済してはいけない。しかし、一部返済したことが、全額の返済義務となるのだろうか。

「追認が認められるのは、貸主としても、一部でも返済をしてくれたからには、全体としても有効だと信じてしまうという理由もあります。逆に言えば、貸主が、子供を騙したり、脅したりして、子供から返済を受けた場合には、追認が認められず、返済義務は生じません」(塩澤彰也弁護士)

例えば貸金業者から脅迫めいた督促をされ、恐れるあまりに返済してしまった、といったことは無効となるようである。しかし最後に塩澤彰也弁護士は注意事項を付け加えてくれた。

「ただし、騙されたとか、脅された、ということを証明するのは、裁判的には容易ではないので、十分注意しましょう」(塩澤彰也弁護士)

いずれにせよ無断で保証人にされたとしても、返済しないことが重要であるのは間違いないようだ。しかし問題を放置するのもよくないため、まずは弁護士に相談することをオススメしたい。

取材協力弁護士  塩澤彰也 事務所HP Blog Facebookページ
東京弁護士会所属。塩澤法律事務所代表。主に借金問題、交通事故、遺言・相続、労働問題についての実績多数。対応エリアも東京、千葉、埼玉、神奈川と幅広く可能。