HOME > 法律コラム > 税務調査が穏便に終わるかどうかが、一発で分かる魔法の質問とは?!
税務職員時代、最大の関心ごとは7月の人事異動です。税務署の人事異動は一年間に一度しかないのが通例であるところ、この人事異動により仕事内容がダイナミックに変わることも少なくありません。
人事異動においては、自分の次の仕事も気になりますが、それ以上に気になることは、どんな上司の下で働くことになるか、ということです。
常識的な上司であれば問題ありませんが、常識的でない上司、簡単に言えば部下職員に対するパワハラを行うような上司もおり、こんな上司につかされると一年間お先真っ暗、という状況になります。
税務調査は職員のスキルによって結果が変わりますので、多くの税務職員は税務調査を職人芸と勘違いしています。この勘違いが発展すると、弟子に対しては厳しい指導をする、すなわち部下職員へのパワハラになります。
困ったことに、税務署にはかなり多くのパワハラ上司がいます。このようなパワハラ上司の情報は、税務職員の中ではかなり広く伝わっており、人事異動の際、その情報は確実に回ってきます。
このパワハラこそ、税務職員が最も恐れるものです。
パワハラはセクハラほど社会問題化していないこともあってか、税務署はパワハラの是正に積極的ではありません。このため、「一年間我慢すれば人事異動で逃げられるのだから、耐えろ」といった非常な措置がとられています。
実際のところ、税務署長等の幹部職員がきちんと是正すべきなのですが、穏便にしたいのが公務員であるところ、部下に涙を飲んでもらう、という処置がなされています。
このような上司に仕える調査官は、そもそも税務調査にやる気がありません。やる気を出しても、難癖を付けられて叱責を受けるからです。
パワハラを受けた経験から申し上げますが、このような上司の下についた場合、仕事をがんばって大きな事績を上げるよりもむしろ、税務調査は早くかつ穏便に終わらせたいと思うものです。
税務調査を受ける側としても、この点押さえておくと効果的です。それとなく、上司はどんな人間なのか聞いてみて、問題がありそうな上司であれば、できるだけ早く終わらせることに協力することで、調査官から有利な妥協を得ることも可能になります。