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交通事故の過失割合ってどうやって決めるの?揉めた場合はどうなるの?

交通事故における過失割合とは、どちらがどれだけ悪かったかという責任の割合を意味する。
そしてよく誤解されているが、その過失割合を決めるのは警察ではない。実は、それぞれが加入している保険会社の担当者が話し合って決めるのが通常だ。では具体的に、どんな話し合いが行われているのだろうか。交通事故を得意とする弁護士事務所も多く、そのホームページでは、弁護士に依頼することで、通常の慰謝料よりも2倍近く増額可能なケースもあるようだ。弁護士が交渉することで、そこまで過失割合が変わってしまうものなんだろうか。
さて今回は、その過失割合が具体的にどうやって決められているのかを、交通事故に詳しい加塚裕師弁護士に話を聞いてみた。

交通事故の態様は全て類型化されている!

早速だが、過失割合とはどのように決められているのだろうか。

「交通事故は、毎年事件数も多く、また事故態様も類似するものが多いことから、過去の事例に基づいて過失割合が類型化されております」(加塚裕師弁護士)

過去の交通事故と似通ったケースで照合し、それに基づいて判断するということだろうか。では具体的には何を参考にするのだろうか。

「実務において参照されているのが、別冊判例タイムズ38号という書籍に掲載されている過失相殺率の認定基準であり、基本的にはこれを参照して過失割合を判断することになります」(加塚裕師弁護士)

別冊判例タイムズ38号は市販されているので、詳しくはこちらを参照されたい。

揉めたら最後は裁判所が判断

「この過失相殺基準は、事故類型ごとに基本過失割合を示しつつ、様々な修正要素も記載されており、その具体的な適用を巡って争いになることになります」(加塚裕師弁護士)

なるほど。どの認定基準を適用するかで過失割合が変わるとなると、自らの正当性を訴える上では、意見がわかれるのは当然のことかもしれない。しかし、揉めた場合はどうやって決めるのだろうか。

「当事者間の協議により、過失相殺割合で合意できない場合には、最終的には裁判所の判断を仰ぐことになります」(加塚裕師弁護士)

ちなみに過失割合を当事者間で決めた場合、必ずしもその分の保険金が支給されるわけではない。保険会社は、正当に認められた過失割合でしか賠償額を負担してくれない。つまり、もしも自分が全て悪いと認め、その分を保険会社に負担させようとしても、保険会社が認めた過失割合の分しか支給されないのである。
もしも交通事故に遭った場合は、まずは警察や保険会社に連絡し、その後信頼できる弁護士に相談することが最も損害を抑える最善策である。

取材協力弁護士  加塚裕師 事務所HP
愛知県弁護士会所属。加塚法律事務所代表。債務整理、相続、労働問題など幅広く対応。「相談して、本当に良かった」と思って頂けるような親切丁寧な対応を心掛けています。また初回のみ相談料はかかりません。