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「税務調査では交際費に気をつけるべき!」という税理士を信用してはいけない?!

大企業の税務調査は別途、中小企業の税務調査において税務署がチェックしている項目は売上・原価・人件費の3つだけ、と言っても過言ではありません。その理由は、税務調査は税金を取るために行われる以上、少ない労力で最大限の成果を上げるためには、どうしても金額の大きな項目を中心にチェックをかける必要があるからです。

企業にとり、金額の大きな項目はこの3つですから、それに的を絞り税務調査が行われています。

交際費等も大事と言われますが…

このような話をすると、税務的には交際費や減価償却費が重要と言われる、と反論されることがあります。確かに、これらの科目は、税務的には重要とされており、税金の解説書においても、多数解説がなされています。

しかしながら、これらの科目については、金額がそれほど大きくありませんから、間違いを発見しても税務署的にはうまみがありません。このため、かなり甘い処理をしていたとしても、税務署としては殆ど問題にしないことがほとんどです。

むしろ、調査官がこういう科目に目を向けていれば、短い時間で終わらせるべき税務調査において、逆に時間の使い方が悪い、と上司から注意を受けるケースもあります。

税理士の対策は真逆?

こういう意味で、会社において金額が大きい先の3つの科目に的を絞り、それを深く検討する、というスタンスで税務調査対策をすれば、非常に効果的です。しかしながら、税理士はこの点の対策が非常に甘いのが正直なところです。

税理士は、ミスなく会社の申告書を作るのが仕事ですので、おのずと税務的に重要な科目である交際費や減価償却費に力を入れてチェックしています。反面、税務調査で狙われる先の3つの科目については、基本的には会社で処理しますので、間違いがあっても税理士の責任にはなりませんから、税理士はあまり神経を払っていません。


こういうわけで、現職時代は、狙われるポイントは明確なのだから、金額の小さい科目に神経を使うのではなく、売上等をきちんと税理士はガードすればいいのに、などと考えていました。

狙われるポイントは明快ですから、税理士に頼りすぎず、自分でこれらの科目について誤りがないか、きちんとチェックしたいところです。

執筆  松嶋洋 WEBサイト
平成14年東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。国税局を退官後、経団連関連の税制研究所において、法人税制を中心とするあるべき税制の立案と解釈研究に従事。現在は、税務調査対策及び高度税務に関するコンサルティング業務に従事するとともに、税理士向けに税務調査・法令解釈のノウハウにつき講演執筆活動を行う。

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