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突然、行方不明となった旦那と離婚を決意。旦那に慰謝料請求って出来るの?

法律上、離婚原因の一つに「3年以上の生死不明」が規定されている。生死不明とは生きているのか、亡くなっているのか、どちらも確認が出来ない状態のことを指す。(ただし、生きていることだけはわかっているという状態であれば、これには該当しない)
ちなみに7年以上生死不明の状態が続いた場合、失踪宣告という制度を用いて、行方不明者は死んだものとみなされ、婚姻関係は解消される。
そして離婚といえば慰謝料がつきものである。
このケースでは旦那が行方不明になったことが離婚理由であるが、そもそも慰謝料を請求することは可能なのだろうか。もしも可能であれば誰に対してすればいいのだろうか。この問題について、離婚問題に詳しい齋藤有志弁護士に話を聞いてみた。

そもそも「行方不明」という理由でも慰謝料請求は可能!

まずは行方不明を理由にした離婚でも、慰謝料の請求が認められるのだろうか。

「離婚の際に、一方の有責行為によって離婚することになった場合、離婚により精神的苦痛を被った側は、不法行為に基づく損害賠償請求として慰謝料を請求できます」(齋藤有志弁護士)

「行方不明等が離婚の原因であれば、相手に離婚慰謝料を請求することも可能です」(齋藤有志弁護士)

有責行為とは、離婚をする原因となった行為、例えば離婚理由として最も多い不貞行為や暴力行為などがそれに当たる。そしてその行為によって精神的な苦痛を受けた場合は、相手方に対して慰謝料を請求できる。つまり行方不明も有責行為の一つとして認められると齋藤有志弁護士は言う。

でも請求したい相手が行方不明となるとどうなる?

行方不明でも慰謝料請求は可能ということであるが、肝心の請求相手が行方不明となるとどうなるのだろうか。

「請求の相手が行方不明になっているのですから、現実に賠償金を支払ってもらうのは難しいでしょう。本件でも現実に慰謝料を支払ってもらうのは難しいと思われます」(齋藤有志弁護士)

やはり慰謝料請求は難しいとのこと。ちなみに慰謝料請求の時効は3年である。つまり離婚成立後、3年で慰謝料を請求できなくなる。もしも同様のケースで離婚を検討している方は是非注意して欲しい。

取材協力弁護士  齋藤 有志 齋藤法律事務所
広島弁護士会所属。齋藤法律事務所代表。岡山県倉敷市で生まれ立命館大学法学部を卒業。卒業後は土地家屋調査士事務所、塾講師、自動車工場、家電量販店等で働きながら勉強し平成18年に司法試験に合格。平成26年に事務所を開設し、現在は交通事故、不動産問題、顧問弁護士、離婚等で多数の実績あり。初回の法律相談30分を無料(わかりやすい弁護士費用)とし、親近感を感じてもらえるように日々活動中。