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へそくり等を隠し通されたら、離婚の財産分与では対象外になるって本当?!

離婚する際に、結婚期間中にお互いが築いた財産を公平に清算することを財産分与という。
例え、現預金や不動産など、夫婦どちらか一方の名義であっても、夫婦の共有財産として扱われることになる。
ただしその中には、独身時代に築いた財産は含まれない。また親から相続した財産や、離婚を前提とした別居期間中の財産も含めることはない。
つまり純粋に、夫婦が共同で築いた財産のみを指すのだが、もしも妻が、旦那に隠して貯めたへそくりや資産運用益があった場合はどうなるのだろうか。いざ財産分与の協議に入っても、旦那はそもそもその存在を知らないため、その権利を主張すること自体が不可能となってしまうのか。また、そういったへそくりなどは、隠し通すことが可能なのだろうか。今回はこの問題について蓮見和章弁護士に伺ってみた。

へそくりを発見出来なければ、自己申告してくれない限り、財産分与の対象外!

まずは、財産分与にあたって、へそくりや資産運用で得られた利益があるかどうかを調べるのはどうすればいいのだろうか。

「財産の開示に関しては、基本的に金融機関はその名義人でなければ開示ができませんし、へそくり等現金で所有していた場合には、現物を発見できなければ財産分与の対象となることもできません」(蓮見和章弁護士)

「そうなると基本的には財産開示は相手方が正直に申告してくれなければ発見できないということになります」(蓮見和章弁護士)

離婚理由の一位は性格の不一致である。次いで不貞行為や暴力となっている。これらの理由で離婚する夫婦が、へそくりがあることを素直に告白してくれるとは思えないと読者も思うだろう。

へそくりを隠されていても諦める必要はない!

「ただ、預貯金や株式等で、具体的に金融機関のめぼしがついている場合は諦める必要はありません」(蓮見和章弁護士)

「弁護士に依頼すれば弁護士会照会制度をいうものを使って金融機関に問い合わせすることができますし、それで開示されない場合でも裁判所に調停を申し立てれば、裁判所を通じて調査してもらうことも可能です。財産の開示は基本的に任意のものですが、多くの金融機関は実際に財産がある場合は開示をしてくれています」(蓮見和章弁護士)

これは、今まさに離婚を検討している方にとっては嬉しい情報である。
しかし一点、注意が必要である。蓮見和章弁護士が冒頭でも述べたように、そもそもその存在自体を認識していないのであれば、その権利を主張することも出来ないのである。つまり疑いがあるのなら、しっかりと調べる必要があるということだ。

「相手が財産を隠しているのではという疑念がある場合は、一度弁護士等の専門家に相談してみることをお勧めします」(蓮見和章弁護士)

蓮見和章弁護士も言うように、まずは一度弁護士に相談することをオススメするとともに、財産分与は情報戦であることも是非肝に銘じていただきたい。

取材協力弁護士  蓮見和章 弁護士法人リーガルジャパン 広島事務所 Blog
広島弁護士会所属。全国各地に安定感のあるリーガルサービスを提供するために東京、大阪、広島市と呉、山口に事務所を展開。企業法務・一般民事・家事事件・刑事事件等、様々な案件を幅広く対応。

ライター 大田タケル Twitter Blog (photo by se7en