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ストライキの間って給料どうなるの?評価下がらないって言うけど本当はどうなの?!

労働者が、職場の環境改善や賃金アップなどの交渉を行うに当たって、一つの武器となるストライキ。条件を受け入れてくれなければストライキを行う、などというように交渉を有利にするメリットがある。

働く際の条件として「終身雇用を望んでいる」や「嫌ならすぐに転職する」という、それぞれの考え方はあるだろうが、今回はそんなストライキについて、ストライキ中の給料や、参加したことで評価が下がるかどうかなど、高橋和央弁護士に寄稿して頂いた。

ストライキ期間中は、基本的には給与は支給されない!

ストライキ期間中は、仕事をしていませんので、法律上、その間の給与は支給されないのが原則です。
労働組合の方でストライキで給与が減額された分について組合費から補填するケースもあるようですが、使用者としては、労働組合との間でストライキ中の給与も支払うというような取り決めがなされている場合等を除き、給与の支払義務は負わないこととなります。

もっとも、この場合、控除される給与の範囲について、例えば、家族手当も控除されるのか等という点で争いとなる場合があります。

ストに参加していない労働者が、ストの影響で就労出来なかった場合の給与は?!

また、一斉に全員でストライキをした場合はともかく、一部の人々のみがストライキをした結果、ストに参加していない労働者も仕事が出来なかったような場合、ストに参加しなかった労働者の給与がどうなるのかという問題もあります。

例えば、飲食店のホールスタッフがストに参加せずに出勤したにもかかわらず、調理担当者全員がストライキをしていたため店自体が営業できなかったため出勤した労働者も就労できなかったような場合です。
このようなケースでは、「使用者側の責めに帰すべき事由」によってストに参加していない労働者が就労できなかったかどうかという観点から結論が別れます。
使用者側としては、労働組合の要求を受け入れなければならない義務はなく、団体交渉が決裂した結果、ストライキが実行されたとしても、直ちに「使用者の責めに帰すべき事由」があったとはいえません。
そうすると、ストに参加せずに出勤した労働者も、ストの影響で就労できなかった間の給与を控除されてしまうということもあり得ることとなります。

スト参加がマイナス評価となることを法的に認めていないが…

なお、正当なストライキは労働者の権利の行使ですから、その権利を行使したことを理由にマイナス評価をすることは、法的には許されません。

しかし、正面からストライキに参加したことを理由とはしないものの、別の理由を持ち出してマイナス評価をするというケースがないとはいえず、そのような場合、マイナス評価の真の理由がストに参加したことであるということの立証は難しいのが現実だろうと思われます。

取材協力弁護士  髙橋和央 事務所HP
札幌弁護士会所属。諏訪・高橋法律事務所所属。新潟県長岡市で生まれ、大学卒業後は民間企業に勤務。その後一念発起し平成16年に司法試験に合格。委員会や団体等にも多数所属し精力的に活動中。様々な職務経験を経て得られた経験から「相談者の気持ちをどれだけ理解できるか」をモットーに現在は一般民事から刑事まで幅広く対応。

ライター 大田タケル Twitter Blog