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時代を映し出す鏡である詐病。詐病による代表的な詐欺行為を弁護士が解説!

詐病と仮病の違いーー欠席や欠勤など、病気であると嘘をつく仮病はその場しのぎに使われることが多いが、詐病は、その目的が実益を得ようとする点で異なり、立派な詐欺罪となる。

そんな詐病は時代を映す鏡と言われている。古くは懲役拒否のために利用されることもあったようだ。また現代では、病気を理由とした就労不能に伴う生活保護不正受給などだろうか。

今回はそんな詐病を悪用したケースの幾つかを蓮見和章弁護士に伺った。

代表的な詐病とは、保険金や社会保障の不正受給!

まずは詐病による代表的な犯罪行為を伺った。

「いわゆる詐病でよく犯罪行為となるのは、保険金や社会保障の不正受給ですね」(蓮見和章弁護士)

「この場合は、保険会社や公的機関を騙して本来もらえるはずのない金銭を受給することになるわけですから詐欺罪(刑法第246条)が成立することになります」(蓮見和章弁護士)

詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役となっている。

交通事故における詐病とは?!

交通事故に遭い、保険を少しでも多く受け取ろうとするために、怪我の具合を過剰に申告するのも詐病となるのだろうか。

「完全に詐病ではなく、怪我の状態を過剰申告した場合もその過剰申告によって少しでも多くの金銭を受給したのであれば、詐欺罪は成立しますので注意が必要です」(蓮見和章弁護士)

この場合、更に医者の診断書も必要となるだろうが、この点はどうなるのだろうか。

「詐病である病気を証明するために、勝手に医者の署名押印のある診断書等を作成した場合も私文書偽造等の罪に問われる可能性があります」(蓮見和章弁護士)

詐病によく用いられる精神病は、以前は社会的なデメリットが多かった

主に本人の自己申告のみで症状が確定しやすいのはムチウチ症や、視力や聴力の低下、失明・失聴、などがあげられる。

またうつ病や統合失調症などの精神的な病もその一つであり、犯罪行為の隠蔽や減免を誤認させるという方法もあるようだ。

詐病の代表的な事件としては昨年、佐村河内守氏が色々と話題になった。ところが日本だけではなく、お隣の韓国でも先月、「幽霊が見える」などと詐病を利用して兵役を逃れようとした歌手がいた。その韓国人歌手は控訴審で懲役1年が確定したようだ。

詐病に良く用いられる精神病は、それ自体の社会的なデメリットが多かったため、昔はわざわざ詐病する人は多くなかったと言われている。しかし時代も変わり、今まで述べたような実益が得られるケースも増えてきた。精神医学において、精神病による詐病を見抜く技術向上が期待されることは言うまでもないだろう。

取材協力弁護士  蓮見和章 弁護士法人リーガルジャパン 広島事務所 Blog
広島弁護士会所属。全国各地に安定感のあるリーガルサービスを提供するために東京、大阪、広島市と呉、山口に事務所を展開。企業法務・一般民事・家事事件・刑事事件等、様々な案件を幅広く対応。

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