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訴えようとする前に読んで欲しい訴訟自体の大変さと、その他検討すべき選択肢を弁護士が解説!

金銭を請求する場合、相手方から回収することができない可能性があるならば訴訟するメリットは少ない。また回収できる可能性があっても、訴訟自体にかかる費用を上回ることができないならば、これもまた訴訟するメリットは少ない。

ちなみに訴訟提起にかかる費用は、収入印紙と切手代、そして弁護士費用である。収入印紙と切手は大した費用ではないが、問題は弁護士費用である。勿論、弁護士に依頼することなく、本人訴訟をすれば、弁護士費用はかからない。しかし、書面の作成、証拠収集、出廷などを自分で行わなければならない。結局そこにかかるコストと比較検討することが訴訟を提起する前に考えるべきと言えるだろう。

では今回は、訴訟自体の大変さやデメリット、また訴訟を提起する前に検討するべきポイントを安田庄一郎弁護士に伺った。

そもそも提訴から判決まで最低でも3ヶ月程度。場合によっては1年以上かかることも!

そもそも訴訟自体にかかる期間はどれくらいなのだろうか。

「訴訟を提起する場合、特に争点のない事案であっても提訴から判決まで3か月程度はかかるのが通常であり、複雑な事案で争いがある場合、場合によっては1年以上かかることもあります」(安田庄一郎弁護士)

「そのため、早期の解決を望まれる場合、訴訟以外の解決手段を検討すべきでしょう」(安田庄一郎弁護士)

訴える前に考慮すべきポイントは訴訟期間とのこと。出来る限り早く解決を望むなら、訴訟以外も当然選択肢に入ってくるだろう。

訴えるならば相手との人間関係が悪化することも覚悟しなければならない

「訴訟の提起は、相手方にかなり強固な意思表示ととられるため、相手方との人間関係を悪化させてしまう危険があります」(安田庄一郎弁護士)

これは間違いないだろう。訴えるならば、相手方との関係修復を望むことは基本的に諦めたほうがいいかもしれない。つまりこの点も訴える前に考慮するべきだろう。

「もちろん、事案によっては、訴訟以外の選択肢が考えにくいものもあり、権利の実現のためにやむをえない場合はありますが、訴訟外での弁護士を入れた話し合いなど、より穏当な手段により目的が達成できる可能性がある場合、そちらを検討せずに、いきなり訴訟を提起することには慎重であるべきでしょう」(安田庄一郎弁護士)

訴訟を提起する前に、まずは相手方と話し合うことも検討するべきだと安田庄一郎弁護士は話す。つまり、あくまでも訴訟は最終手段ということだろうか。

訴える前に考慮するべき4つ

これまでの話をまとめると訴える前に考えることは大きく分けて4つあるといえるだろう。

(1)金銭を請求するならば、訴訟費用を上回る金銭を回収できるかどうか。
(2)判決までにかかる期間は短くない。そのため早期解決を希望するならば、訴訟以外の選択肢も有り得るということ。
(3)訴訟は最終手段。まずは訴訟外で、弁護士を交えた話合いで済ませることが可能かどうかも検討するべき。
(4)訴えるならば、相手方との人間関係が悪化することは止むを得ない

もしも訴えるならば、これらについて是非検討することをオススメしたい。

取材協力弁護士  安田庄一郎 事務所Facebook
愛知県弁護士会所属。愛知県生まれの愛知県育ち。名古屋大学法学部を卒業し、2010年に弁護士登録。債務整理や相続、交通事故、離婚など幅広く対応可能。特に遺産相続などには力を入れており、初回の相談料を無料で受け付けています。

ライター 大田タケル Twitter Blog