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職務怠慢を通り越して、もはや詐欺?と疑われても仕方ないレベルの国税職員

税務署から要請される取下書は、国税にとって非常に便利なツールです。申請書や申告書を提出した場合、それらを却下する場合、法律的には却下の処分や更正処分など、強硬的な処分が必要になります。これらの処分を行うとなると、非常に面倒な手続きが必要なりますので、税務署はそうならないよう、取下書の提出を依頼することが非常に多いのです。

このように、自由に取下げができるなら都合がいいですが、国税は、自己に都合がいいときは取下げを認め、そうでないときは取下げを認めないという考え方を持っています。法律的には取下げはできないのが原則ですから、法律を都合よく使っている、と考えられます。

法律知識のなさが拍車をかける

以前、過大に申告した消費税がありましたので、更正の請求という手続きに基づいて還付を請求したときの話です。平成23年度改正により、更正の請求期間が5年間(従来は1年間)に延長されたのですが、それから数年たっているのにもかかわらず、「1年以上経過しているので還付できませんから、更正の請求を取り下げて下さい」と税務署から電話連絡を受けました。

信じられないことに、その電話した職員は、5年に延長されたことを知らなかったようです。常識的な税制改正も知らなかった、というどうしようもない状況だったようで、後日謝罪がありましたが、仮に専門知識のない善良な納税者がその職員の指導を信用して、更正の請求を取り下げてしまって5年たてば、返してもらえるはずの税金は返してもらえないことになります。

どの程度、真剣に仕事をしているかはわかりませんが、一歩間違えば国税職員の詐欺、という話になるでしょう。

取下げした不利益は救済されない

法律的には申告書などの取下げができませんので、いったん取り下げてしまえば、その不利益を後日争うことはできません。このような国税にとって都合がいい点をもって、安易な取下げをさせる傾向があるのです。

取下書には大きなリスクがありますから、税務署から取下書の提出を求められれば、その内容をきちんと検討するとともに、後日のリスクヘッジとして、会話内容の録音なども必要になるでしょう。取下書を提出させる税務職員も、法知識がないことが通例ですから、思わぬ落とし穴がたくさんあると言えます。

執筆  松嶋洋 WEBサイト
平成14年東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。国税局を退官後、経団連関連の税制研究所において、法人税制を中心とするあるべき税制の立案と解釈研究に従事。現在は、税務調査対策及び高度税務に関するコンサルティング業務に従事するとともに、税理士向けに税務調査・法令解釈のノウハウにつき講演執筆活動を行う。

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