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関係ない甥や姪も相続人?相続人の範囲と順位を相続に強い弁護士が徹底解説

前回、遺産分割協議書を自作する際のポイントをまとめた。ポイントは三つ。

一つ目は相続人が誰になるのかを把握すること。これを怠ると、後々相続人が新たに発覚した場合、遺産分割協議をやり直さなければならなくなるからだ。
二つ目は財産の把握。これも相続人の把握と同様に、後々莫大な財産が見つかった場合に揉めることになるからだ。
そして最後は、被相続人の晩年の面倒を見てきた方にもある程度考慮した遺産分割にすること。これは「面倒を見てきたのは私なのに…」という、わだかまりを残さないためだ。

さて今回は、ポイントの一つ目である相続人の範囲と順位について、前回同様、相続問題に積極的に取り組んでいる今西隆彦弁護士に寄稿していただいた。

相続人の範囲は、亡くなった方の近い家族が対象と考えてOK

おざっぱにいうと、被相続人の近いご家族が原則として相続人となると考えていいと思います。
被相続人にお子さんがいる場合は、そのお子さんは相続人です(第1順位相続人)。
お子さんがいない場合は、被相続人の親御さんが相続人になります(第2順位相続人)。
お子さんも親御さんもいなかった場合は、被相続人の兄弟が相続人になります(第3順位相続人)。

上に書いたような血のつながりのある相続人を血族相続人といいます。ただし、血のつながりはなくても、養子縁組がされていた場合、その養子や養親は相続人となります。

被相続人にご主人または奥さんがいた場合は、そのご主人または奥さんは常に相続人になり、血族相続人と共に相続します。

場合によっては甥や姪も相続人となる

なお、お子さんやご兄弟は亡くなっていても、その子供(つまり、被相続人から見ると孫や甥、姪)がいる場合は、代襲相続という制度により、そのお孫さん、甥、姪が相続人になります。

昔は甥や姪、従兄弟等が近しい関係にあったようですが、核家族化が進んだ昨今では、そのような人達はたまに会う親戚程度の関係しかなかったりすることが多いようです。

そのため、法律相談を受けると、「関係のない甥や姪にも財産をやらなければならないのか」と不満を漏らされる方もいらっしゃいますが、法律ではそのようになっているので、やむを得ません。

執筆  今西隆彦 事務所HP
横浜弁護士会所属。今西法律事務所代表。犯罪被害者支援委員会や若手育成支援委員会に所属。主に相続問題、借金問題、離婚問題、交通事故など幅広い実績がありますが、現在力を入れているのは少年事件と犯罪被害者支援です。土日や夜間も対応可能の頼れる街の法律家です。