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賃貸借でなく売買となるファイナンス・リース取引。注意するべきは消費税!

実務上、機械や車などをリース会社からリースすることが多くあります。リースは、原則としては賃貸借ですので、毎月リース料を支払って固定資産を借りる、とお考えの方も多いと思いますが、税務上は、所定のリース取引について、賃貸借ではなく資産を購入した、という処理を行う必要があります。

いわゆる、ファイナンス・リース取引と言われるものがこれに該当します。

ファイナンス・リース取引の範囲

税務上は、細かい要件も設けられていますが、以下の要件を満たすリース取引については、ファイナンス・リース取引として、資産を買ったという処理が原則として必要になります・

(1)中途解約ができないか、解約できるにしても相当の違約金を支払わなければならないリース取引(ノンキャンセラブル)
(2)リース資産の取得価額や維持管理費用などのコストを、実質的に賃借人が負担するリース取引(フルペイアウト)

解約できない、コストをすべて負担するとなれば、資産を買ったことと一緒ですから、敢えて購入したという処理が必要になるのです。

所有権移転と移転外

ただし、例外的に購入したという処理をするのではなく、賃貸借をしたという処理ができるファイナンス・リース取引があります。いわゆる、所有権移転外ファイナンス・リース取引と言われるものです。

ファイナンス・リース取引については、リース期間の終了後、リース資産をリース会社に返還するものとしないものの二種類あります。所有権移転外ファイナンス・リース取引は、リース会社に返還するものを言います。

この所有権移転外ファイナンス・リース取引については、敢えて売買として処理せず、賃貸借として処理する(支払ったリース料を費用にして終わりです)ことができます。
売買として処理すべきとされているものの、その実ファイナンス・リース取引の90%以上は所有権移転外と言われますので、ほとんどのリース取引は、賃貸借として処理することができます。

消費税が問題になる

実務上、ファイナンス・リース取引が問題になるのは、法人税ではなく消費税です。消費税においても、ファイナンス・リース取引は原則として資産を買った、という処理が必要になります。所有権移転外についても同様で、賃貸借処理も認められます。

注意したいのは、処理方法によって、税負担が大きく変わることがあり得る、という点です。

執筆  松嶋洋 WEBサイト
平成14年東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。国税局を退官後、経団連関連の税制研究所において、法人税制を中心とするあるべき税制の立案と解釈研究に従事。現在は、税務調査対策及び高度税務に関するコンサルティング業務に従事するとともに、税理士向けに税務調査・法令解釈のノウハウにつき講演執筆活動を行う。

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