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法人税節税として生命保険を検討するなら絶対に知っておきたい基本とは?

節税を考える場合、まず浮かぶことの一つに、生命保険の活用があります。生命保険はうまく使えば節税になりますが、課税関係が難しいこともあり、最低限の理解が必要です。

生命保険と一言で言っても、商品としてはいろいろあり、なかなか難しいです。しかし、考え方として、生命保険は原則として養老保険、定期保険、終身保険のいずれかになりますので、その区分に応じて税金の取扱いを押さえておくと分かりやすいです。

養老保険の課税関係

養老保険とは、保険期間中に被保険者が死亡した場合には死亡保険金が支払われ、また保険期間が満了した場合には、満期保険金も支払われる保険をいいます。養老保険は死亡保険金かつ満期保険金がある保険であり、貯蓄性が高い保険と言われています。

貯蓄性が高い、ということは、預金と同じような性格があるということです。銀行に預金しても、その金額は経費になりませんので、養老保険についても、支払った保険料の全額が経費にはなりません。

例外はありますが、法人契約で従業員などを被保険者とする養老保険の場合、死亡保険金と満期保険金の受取人が法人であれば経費にならず、死亡保険金の受取人は遺族で満期保険金の受取人が法人であれば、2分の1だけが経費になります。

定期保険の課税関係

定期保険とは、保険期間が決まっている「有期保険」で、保険期間中に被保険者が死亡した場合には死亡保険金が支払われる保険をいいます。ただし、養老保険と異なり、満期保険金はない掛け捨ての保険であり、解約返戻金もほぼありません。

返ってくる金額がないのであれば、預金のようなものではありませんので、支払う保険料は原則として経費になります。ただし、特定の役員や従業員のみを被保険者とするような保険であれば、これらの限られた人にだけ利益を与えている、ということから給与として課税されることになります。

逓増定期保険や長期平準定期保険などは要注意

定期保険の保険料は原則として経費になりますが、定期保険であっても、保険金額が保険期間終了までに大きく増額される逓増定期保険や、保険期間が非常に長い長期平準定期保険については、経費になる金額が制限されます。

これらの保険でも、使い方によっては大きな節税ができますが、誤るとお金は出ていくが効果はない、といった結果になりますので、税理士に相談しながら慎重に使ってください。

執筆  松嶋洋 WEBサイト
平成14年東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。国税局を退官後、経団連関連の税制研究所において、法人税制を中心とするあるべき税制の立案と解釈研究に従事。現在は、税務調査対策及び高度税務に関するコンサルティング業務に従事するとともに、税理士向けに税務調査・法令解釈のノウハウにつき講演執筆活動を行う。

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