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痴漢で捕まり冤罪だった場合、取り押さえた駅員さんや他の乗客に罪はないのでしょうか?

痴漢冤罪に遭ってしまった場合、例え無実を証明できたとしても、会社を退職に追い込まれたり、身近な人間から白い目で見られたりと社会的に相当の窮地に追い込まれることは想像に難くありません。
そのため、最初に痴漢だと訴えた女性側が逆に損害賠償の請求を受けるケースがあるそうです。

それならば、例えば電車での事件発生時、痴漢と見られていた男性を拘束した駅員さんやその他の乗客は罪に問われてしまうのでしょうか?

駅員さんに罪はないという回答でした

その場で男性が無罪を訴えていたとしても、結果的に男性を事務所まで連行し、警察に引き渡した駅員さんは事件の関係者だと言えそうですし、一般人が痴漢とみられる人物を捕まえることもあります。

こういった、何らかの形で痴漢冤罪に関わった人は損害賠償を請求されてしまうことがあるのでしょうか?

今回、寺林智栄弁護士に取材のご協力を頂きました。

回答としては「罪はありません。誤認逮捕は全て罪になるわけではなく、明らかに犯人ではないのにわざと捕まえた場合や犯人と申告したような場合に犯罪になりうるにすぎません。」とのことでした。

「乗客を拘束する権限が駅員さんにあるのでしょうか?」

寺林弁護士

「現行犯逮捕については、警察官や検察官以外の一般市民にも逮捕する権利が認められています(刑事訴訟法第212条)。

駅員さんの目の前で、男性が痴漢と呼ばれている状況であれば、現行犯に該当しますので、駅員さんはその乗客を拘束して駅員室に連れていくことができます。」

「痴漢冤罪が問題となっている現在、駅員さんの対応に変化はあったのでしょうか?」

寺林弁護士

「データがきちんと取られているわけではないので、正確なことは申し上げられませんが、当事務所には痴漢で逮捕された方やそのご家族からの接見の要請や相談がしばしば寄せられており、減少しているという印象はありません。

したがって、対応にあまり変わりないのではないかと考えます。駅員さんとしては、身体拘束せずに逃がした場合のクレームなどの問題もありますので、とりあえず捕まえておき、後は警察に対応を任せるというやり方をしているでしょうし、そうせざるを得ないのではないでしょうか。」

取材協力弁護士  寺林智栄 ともえ法律事務所 事務所Facebook Blog
東京弁護士会所属。様々な会務活動をこなしながら刑事事件や離婚問題、労働問題、借金問題、詐欺、不当請求などに取り組んでいます。一人でも多くの方々の悩みの解決のために邁進中。

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