HOME > 法律コラム > 【医療費控除】なんと医療費領収書は「添付」より「提示」の方が利点多し!
医療費控除を確定申告で受ける場合には医療費の領収書が必要であり、国外に居住する親族について扶養控除等の適用を確定申告で受けたりする場合には送金関係書類などが必要になります。このため、一般的には確定申告書に添付をすることが通例ですが、法律上これらの書類は「添付~又は~提示」することになっています。
つまり、添付でも提示でもいいですので、あらかじめ国税職員に提示をし、内容を確認してもらえばそれで大丈夫なのです。
医療費控除の領収書を提示した場合、国税職員は内容を(ざっくりと)確認して、医療費の領収書は「確認済」と印を押します。その上で、提示した領収書はその場で返してもらえます。
こうすれば、申告書に領収書を添付する必要はありません。もちろん、後日税務調査などが行われる場合には、確認などがなされますので、提示した領収書はきちんと保存しておきましょう。
提示で足りるのであれば、確定申告書に添付すべきではない、と個人的には思っています。書類を添付してしまうと、税務署は容易に内容を再確認できるからです。
もちろん、払ってもいない領収書をでっちあげて医療費とする、といった不正行為は許されませんが、提出した書類が多ければ多いほど、単純なミスも発見されやすく、税務調査される可能性も大きくなりますので、予め確認を取った方がいいと思います。
とりわけ、今年から国外に居住する親族の扶養控除等の制限がスタートしますので、これらの控除については確定申告後に厳しいチェックがなされると思われます。いずれにしても内容は精査されることになるわけですから、早いうちに内容の確認をしてもらい、問題ないというお墨付きを得ておいた方がいいでしょう。
その他、確定申告会場における国税職員の指導は非常にいい加減なことが多くあります。法律に詳しくない職員が指導するため、ミスや見落としが多いからです。
指導にミスがあったため、税金を安く申告しても、「ミスしたため申し訳ありません。税金は安いままでいいです」などといった温情はありません。
このような事態が散見されますから、予めきちんと確認を受けることとし、再確認されるリスクを防止するため書類の「提示」で済ます、という対応を考えたいところです。