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アルバイトのつまみ食いを発見!バレたらどうなる?クビじゃすまない?

有名な飲食店でのアルバイト。美味しそうな匂いが漂うキッチン。仕入れる食材は高級品ばかり。それを料理するコックの腕も超一流。

そんな状況であればついついつまみ食いをしてしまうかもしれない。しかしつまみ食いは立派な犯罪であることはご存知だろうか。

たかがつまみ食い?されどつまみ食い!ということで今回はアルバイトのつまみ食いがどんな罪に問われるのか星野宏明弁護士に話を伺った。

つまみ食いは窃盗罪で逮捕される可能性がある

さて早速アルバイトのつまみ食いはどんな罪に問われるのだろうか。

「アルバイトなどが職場の商品をつまみ食いした場合、基本的には窃盗の構成要件に該当します」(星野宏明弁護士)

横領とは違うのだろうか。

「一見、横領のようにも考えられますが、アルバイトは業務上の占有権限までは認められず、横領ではなく、商品の窃盗として評価されるケースがほとんどです」(星野宏明弁護士)

では横領となるようなケースはなんだろうか。

「店長クラスの従業員によるつまみ食いの場合には、業務上横領と評価される可能性もあります」(星野宏明弁護士)

ちなみに窃盗罪は10年以下の懲役又は50万円以下の罰金となっている。

立件される可能性は?他にはどんな責任を負う?

たかがつまみ食い。されどつまみ食い。実際問題、つまみ食いによって逮捕される可能性はどれくらいなのだろうか。

「窃盗でも、横領でも、完成した商品ならともかく、厨房で材料をわずかに飲食しただけでは、可罰的違法性に欠け、犯罪は成立しないか、反復継続するなど悪質性が高い場合を除き、事実上、立件されないことが多いでしょう」(星野宏明弁護士)

常習犯は悪質性が高いとみなされ立件される可能性もあるというが、星野宏明弁護士は最後にこのように締めくくった。

「刑事上の責任を問われなくとも、懲戒事由として解雇される可能性はあります」

可能性だけの問題で考えるならば、窃盗罪で捕まるよりも、解雇の方が高いのかもしれない。何故ならつまみ食いという行為には、その窃盗罪という違法性が問われるだけでなく、衛生上の問題も絡むからだ。

もしもあなたがつまみ食いをするスタッフが働く店だと知ったら食べに行きたいと思うだろうか。答えは言うまでもないだろう。どんなに誘惑に駆られても、つまみ食いだけはしてはいけない。

取材協力弁護士  星野宏明 事務所HP
東京弁護士会所属。星野法律事務所 共同代表。千葉県立東葛飾高校を卒業。早稲田大学法学部を大学院飛び級のため退学。その後慶応義塾大学大学院法務研究科を修了。北京大学へ語学留学し、中国広州市にある敬海法律事務所にて実務研修。弁護士法人淀屋橋・山上合同 勤務を経て独立開業。一般企業法務,顧問業務,中国法務,不貞による慰謝料請求,外国人の離婚事件,国際案件,中小企業の法律相談,ペット訴訟等が専門。中国語による業務も対応可能。

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