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法廷での裁判当事者の着席場所は、実は明確なルールがなく、単なる慣習だったことをご存知ですか?

実際に裁判所の法廷に行ったことがない人でも、ドラマなどで見て法廷の内部がどんな風になっているのかほとんどの人は知っていると思います。

正面の一段高いところで法廷内を見渡せる場所に裁判官席があり、その前に裁判所書記官の席、右と左に向かい合うように当事者の席が設けられ、部屋の真ん中には、証言台がある。

証言台は裁判官に向き合っており、証言者は裁判官に向き合って証言することになる。さらに法廷の後部、裁判官席から一番遠いところに、柵に仕切られて傍聴人席がある。傍聴人は当然ながら裁判官に向き合って座ることとなる。

裁判当事者の席順について

少し前置きが長くなったが、今回は法廷内で裁判当事者の席がどうなっているかということである。

知っている人は知っていると思うが、刑事事件の場合、裁判官から向かって右側に検察官が、左側に被告人と弁護人が座ることになっている。

このこと、実は規則で決まっているわけじゃなくて、慣習的にこうなっているということらしく、一部の裁判所ではごく例外的に、裁判官から右が被告人、左が検察官となっているところもあるらしい。

決められていないというのも不思議な感じもするが、確かに不便を感じたり誰かの不利益になったりするようなものではないので、それでいいということだろう。

次に民事事件の場合これがどうなるかといえば、裁判官から見て右が原告、左が被告である。

これは刑事での検察官と被告人の関係とも対応していて、すなわち訴える側である検察官または原告が裁判官の右側、訴えられる側である被告人または被告が左側、ということになる。この辺り、民事でも刑事でも左右は統一されているということになる。

ところでここまで書いてきたのは第一審の話で、第二審つまり控訴審になるとこれがちょっと変わる。

まず民事事件の場合である。
第一審の判決に対して、原告・被告の双方が不服であり、両方とも控訴した時は、原告右、被告左に変わらないのだが、片方だけが不服を訴えて、一方のみ控訴した場合は少し注意が必要だ。

左右の位置が原告・被告で決まるのではなく、控訴した方が裁判官の右、控訴された方が裁判官の左である。
つまり、判決に対して被告だけが控訴して原告は控訴しなかった時は、被告が裁判官の右側に座る。
第一審とは逆になるのである。そして控訴審では当事者の呼び方も原告・被告ではなく、控訴人・被控訴人となる。

刑事事件の控訴審は?

さて民事はこれでいいとして、刑事事件の控訴審である。

第一審の判決に検察官と被告人の両方が控訴した場合、及び検察官のみが控訴した場合は、検察官が右で弁護人が左ということでいいとして、被告人のみが控訴した時はどうなるのか。

少々複雑だが、整理して考えてみてほしい。このとき、民事事件と同じ法則で弁護人が右、検察官が左に座ることとなるのか、それともやはり刑事は民事とは違って、検察官は右で弁護人が左となるのか。
答えをいうなら、検察官が右、弁護人が左、第一審と同じであり、民事事件とは逆になる。刑事事件の場合、先の例外の裁判所を除き、常に検察官が裁判官の右に座り、弁護人が左側に座ることとなる。

答えは分かったとして問題はその理由である。なぜ控訴審では民事と刑事で左右が変わってしまうのか。これについては知人がこのように言っていた。おそらく、刑事事件では控訴審であっても、事件の立証責任を負う側は常に検察官だからであろうと。

法廷内での当事者の左右の関係、これを知っていたとしても人生で役に立つことはあまりないかもしれない。うんちくとして披露するとちょっと自慢になるくらいだろうか。まあ、知識というものはほとんどそんなものなんじゃないか、ということで今回は筆を置くこととしよう。

ライター  蒲生映与 ブログ