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【交通事故】過去の判例で過失割合が決まるなら弁護士には何が求められる?

人工知能によって取って代わる可能性が高いと言われている弁護士。そしてその中でも特に可能性が高い分野は「過払い金返還請求」と「交通事故」である。

例えば過払い金返還請求は、既に過払い金計算機のようなものがネット上に存在している。そこでは幾つかの情報を入力すれば、自動的に幾らの過払い金が発生しているか教えてくれる。勿論、訴訟にまで発展する場合は、弁護士が必要になるかもしれないが、少なくとも過払い金があるかどうかを調べるだけならば弁護士は必要ない。

また交通事故は過去の判例を元に、損害額の算定はある程度決まってしまう。勿論、個別の事情によって多少の違いはあるが、それでもその損害額が大きく逸脱することは殆ど無い。つまり交通事故も、過払い金返還請求同様に、弁護士が介入する余地が非常に少ないのだ。そこで今回は、過去の判例で損害額が決まるならば、交通事故において弁護士に何が求められているのかを井上義之弁護士に伺った。

そもそもどの判例を参考にするかという主張から対立することもある

「過失割合に関して、過去の類似事件の裁判例が参考にされることは事実です」

まずはこのように話す井上義之弁護士。やはり弁護士自身もこの事自体は否定していない。しかし全てが決まるわけではないとも話す。

「事実関係が争いになったり、過去のどの事案と類似しているかが争いになる等、実際の交通事故の過失割合が過去の判例でほぼ決まるということはありません」

そもそもどの判例を参考にするかが争いになることもあるという。確かにそれによって損害額が変わってしまうのであれば、被害者・加害者ともにそれぞれ主張が対立する可能性は大いにあるだろう。

弁護士は依頼者の利益を最大化することに努める

では改めて交通事故において、弁護士に求められている役割とはなんだろうか。

「事実関係と証拠関係を整理し、法的な問題点を検討した上で、解決に向けた流れ、ある程度の事故処理の方向性を相談者に示します。そして、被害者から依頼を受けた弁護士は、ご本人の利益や個々の事情に応じて、最良の結果を目指して代理人として対応していきます。被害者側の主張がなるべく認められるように主張と証拠を整理し、場合によっては裁判を視野に入れつつ、加害者側と交渉していくことになります」

まずは相談を受けた時点で解決への道筋を示すという。そしてそれが自分にとって納得できる話だと感じれば正式に依頼することになる。弁護士は依頼者になった時点で、依頼者の利益を最大化することに努めるという。

万が一交通事故の被害者になってしまったら、まずは交通事故に強い弁護士を探すことからスタート

交通事故の被害者は肉体的にも精神的にも苦しい状況だ。その一方で加害者には交通事故のプロである保険会社がついている可能性が高い。損害額を出来る限り抑えたいと考えている加害者及び保険会社と、交通事故の素人である被害者。これだけ考えても被害者は圧倒的に不利と言わざるをえない。
つまりこのような観点で考えると、弁護士の役割は大きいと言わざるを得ないだろう。そしてその結果、賠償額が上る可能性だって十分ありうるだろう。

出来ることなら交通事故には遭いたくないと考えるのが当然ではあるが、万が一被害者になった場合は、交通事故を得意とする弁護士を探すことから始めてみるのがオススメだ。精神的なケアも含めてきっと熱心に対応してくれるだろう。

取材協力弁護士  井上義之 事務所HP
第一東京弁護士会所属。主な活動歴「文部科学省 研究開発局 原子力課 原子力損害賠償紛争和解仲介室 主任調査官」「関東財務局 関東経済産業局 中小企業経営革新等支援機関」「第一東京弁護士会 労働法制委員会」などその他多数あり。趣味は60カ国以上を訪問してきた旅行(南極大陸も経験あり!)、キリマンジャロやヒマラヤなども経験済の登山、その他スポーツ全般。取扱分野は幅広く、依頼者のあらゆる要望に応えるために、他の士業とも連携し迅速対応を心がけています。

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