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死亡届を役所に提出すると、その後税務署にも通知される。ということは…?

平成27年1月1日から、相続税の課税最低限である基礎控除が6割に縮減するなどした大増税の関係で、相続税の申告をしなければならない方が非常に増えています。この点、国税も非常に神経を使っているようで、相続があった方に対しては、申告の必要があるかどうか、国税から相続税のお尋ねが相続開始から数カ月たって広く発送されています。

このお尋ねを見て、相続税の申告の必要を把握される方も多いですが、このようなお尋ねの発送先を国税がどのように把握しているかご存知でしょうか。

死亡届が税務署に通知されている

相続が開始した場合、その相続人などは、死亡の事実を知った日から7日以内に、市区町村役場に死亡届を提出する必要があるとされています。この死亡届が提出された場合、相続税法において、その提出を受けた市区町村は税務署に相続が発生したことを通知しなければならないとされています。

この通知に加えて、被相続人の過去の所得税の申告状況などから被相続人に相当の財産があると見込める場合には、相続税の納税義務があると認められることから、その被相続人の相続人に対して上記のお尋ねを発送することになります。

相続税の申告義務は

とは言え、相続税のお尋ねはあくまでも納税者に対する行政指導という指導に過ぎませんので、それが来たからと言って確実に申告しなければならないわけではありません。相続税の申告義務は、相続により取得した財産が、基礎控除を超える場合に発生するとされていますので、基礎控除以下の財産しかないのであれば、申告する必要はありません。

相続税の基礎控除は、以下の算式で計算されますので、相続人が配偶者と子二人の家族であれば、4800万円までは申告する必要はありません。このため、この要件に該当するのであれば、申告する必要がないことについて、相続税のお尋ねに書かれた担当者に申し出れば問題ありません。

3000万円+600万円×法定相続人の数

お尋ねが来ない場合にもきちんと判断する

このように申し上げますと、相続税の申告義務があると認められる場合には、必ず相続税のお尋ねがくるとお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、この文書はあくまでも国税が納税義務があると想定している方に対して発送するものです。このため、来ない場合でも納税義務がある場合がありますので、相続があった場合には、上記に照らして申告義務があるかどうか、きちんと検討する必要があります。

専門家プロフィール:元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。実質完全無料の相談サービスを提供する。

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