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平成29年度税制改正で新設された「中小企業経営強化税制」の注意点を解説

平成29年度改正により、中小企業経営強化税制という制度が創設されています。この制度は、先日廃止された、中小企業の投資促進税制の上乗せ措置(生産性向上設備投資促進税制)に代わる制度として設けられたもので、所定の要件を満たす中小企業が行った一定の設備投資については、設備投資減税(投資額の全額の即時償却か、投資額の一定割合の税額控除)を認めるという制度です。

制度の詳細については、こちらをご参照ください。

対象となる資産の範囲が広がる

中小企業経営強化税制の大きなメリットとして言われることは、対象となる資産の範囲が広がることです。従来、中小企業の投資促進税制の上乗せ措置(生産性向上設備投資促進税制)については、建物付属設備や器具備品(所定のものを除きます)について、減税の対象外とされていました。しかし、この制度については、一定金額以上の設備投資を行う必要があるという要件はあるものの、原則として建物付属設備や器具備品についても減税の対象として取り扱われることになります。

ただし、注意したいのは、医療保険業を営む法人の医療機器について対象から除外されるということです。医療機器については、原則として器具備品に該当しますが、特例で除かれていますので注意してください。

業種の要件

その他、注意が必要なポイントとしては、中小企業経営強化税制については、指定事業の要件があるということです。指定事業の要件とは、特定の事業を営んでいる必要があるという要件であり、業種によってはこの制度の対象から除かれます。

ここから除かれる典型例としては、風俗業が挙げられます。このため、風俗業を営んでいる法人については、減税の適用を受けることができません。

その他、問題になりそうな業種として、電気業が挙げられます。電気業を営んでいる場合、中小企業経営強化税制の対象から除かれるとされていますので、売電目的の太陽光発電は、本制度の対象外になると考えられます。一方で、製造業を営む法人が工場の電気代に賄うために太陽光発電システムを購入した場合には、その事業は電気業ではありませんから、この制度の対象になると考えられます。

専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。実質完全無料の相談サービスを提供する。

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