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節税対策として社員の慰安旅行を行う際の注意点を税理士が解説!

中小企業の代表的な節税の一つに、社員の慰安旅行があります。慰安旅行については、以下の要件を満たす場合、その金額が多額でなければ原則として法人の経費とすることができます。

1 旅行の期間が4泊5日以内であること。海外旅行の場合は、外国における滞在日数でカウント

2 従業員全員を対象とし、旅行に参加した人数が全従業員の50%以上であること。50%以上の判断は、工場や支店ごとに行う旅行の場合、工場や支店ごとの人数を基準とすることが可能

3 不参加者に対し、金銭を支給しないこと

これらの要件を満たさない場合、社員に給与を与えたことと同様として、給与として源泉所得税が課税されますので注意が必要です。

機内泊などの考え方

上記の基準を前提とする場合、海外であれば滞在日数でカウントする訳ですから、機内の寝泊まりについては1泊としてカウントしません。この点を踏まえ、例えばクルージング旅行として香港に行き、船中内で往復4泊し、香港では2泊する、といった場合、2泊3日としてカウントされ上記の要件を満たすのではないか、こんな疑問があります。

この点、国税OB税理士の書籍を見ると、航空機を使えば数時間で行ける香港にわざわざクルージング旅行をして船中泊をする合理的な理由がないことから、このようなケースについては、外国だけの滞在日数ではなく船中泊を含んで4泊5日を判断することになると解説されています。

原則として機内泊などは含まずに4泊5日を判断する訳ですが、このような抜け道を使うようなやり方は認められませんので、注意が必要です。

個人的な旅行を加える場合はOKになることもある

その他、4泊5日までであれば給与課税されないことをもって、例えばハワイに4泊5日で慰安旅行をした上、現地解散として一部の社員はオーストラリアに自費で旅行をする、こんな節税をお考えになる方がいらっしゃいます。

このようなケースについて、先の国税OB税理士の書籍によると、社員の大部分が参加しないなど、慰安旅行とは別の旅行と判断される場合であれば、ハワイへの慰安旅行とオーストリアの旅行は異なるものとして、敢えて給与課税しなくても問題ないと解説されています。

ただし、微妙な判断になりますので、予め専門家である税理士の意見を聞いてから実行してください。

専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。税務調査で望ましい結果を得るための法律論・交渉術に関する無料メルマガを提供中

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