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海外不動産への投資が増えている理由を税理士が解説!

王道的な節税の一つに、アメリカなどの海外にある中古の木造不動産を買うことがあります。このような木造不動産が節税になるのは、建物に関する経費である減価償却費を大きく取れるからです。

不動産を貸した場合、それは不動産所得として所得税が課税されます。ただし、不動産所得の計算上発生した赤字については、給与などの所得と通算することができます。ここで重要なことは、木造住宅については、耐用年数がかなり短いということです。

減価償却費とは

建物に投資をした場合、その建物の購入金額は一時の経費にはならず、減価償却という手続きを経て将来にわたり少しずつ経費とされます。ここで計算される経費が減価償却費なのですが、減価償却費はその資産の使用可能年数を意味する耐用年数に応じて経費とされます。

このため、耐用年数が短ければ短いほど、早い段階で多額の経費を計上することができる訳ですが、例えば建物については、以下のように耐用年数が定められています。

木造造:22年
鉄骨造:34年
鉄筋コンクリート造:47年

海外に目を向けると

上記をご覧いただくと分かる通り、鉄骨などに比して使用可能年数が短い木造造については、耐用年数が短く定められています。この年数は、日本の建物を前提としたものですが、海外に目を向けると、木造でもはるかに長い時間使用することが可能な建物が多くあるようです。

ここで重要なことは、上記の耐用年数は、新品を前提としているということです。新品でない中古については、以下の通り耐用年数が計算されます。

(1)耐用年数の全部を経過した資産の場合
新品とした耐用年数の20%に相当する年数

(2)耐用年数の一部を経過した資産
(新品としての耐用年数)―(経過年数)+経過年数×20%

※なお、これらの計算により算出した年数に1年未満の端数があるときは、その端数を切り捨て、その年数が2年に満たない場合には2年とします。

先に申し上げた通り、海外には耐用年数である22年を超えて使われている木造の中古の建物がたくさんあります。このような建物については、耐用年数が何と4年と計算されます。このため、4年で投資額の全額を経費とすることができる訳で、大きな節税になるという訳です。

結果として、近年は海外不動産についてかなり多くの投資がなされているようですが、当然ながらリスクもありますので注意が必要です。

専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は税理士向けのコンサルティングを中心に118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開するとともに、法律論や交渉術に関する無料メルマガを配信中。

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