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本当に賢い納税者だけがやっている、たった一つの相続税対策

いよいよ相続税の大増税が来年に迫りました。

従来、相続税はごく限られた金持ちだけが心配する税金であったにもかかわらず、課税ベースが大きく拡大されることから、今後は国民一人ひとりが相続税の負担と正面から向き合わなければなりません。

「本当に賢い納税者はどうしているのか?」とお考えの方も多いと思いますが、相続税対策の鉄板は、本コラムで述べる「生前贈与」です。

生前贈与で相続財産を減らす

いうまでもなく、相続税は被相続人が持っている相続財産にかかります。

このため、被相続人の財産を生きているうちに相続人に贈与してしまえば、相続財産が少なくなり、結果相続税は少なくなります。このため、生前贈与を行うことで相続税を節税することは、理論的にはいくらでも可能なのです。

もちろん、税金を取る国も馬鹿ではありませんから、このような相続税の節税に大きなブロックをかけています。代表的なものが、悪名高き贈与税です。

贈与税は相続税を補完する

よく知られているように、贈与税の税率は非常に高いものになっていますが、この背景には生前贈与による行き過ぎた相続税の節税を防止する、という目的があります。

少し税の歴史を振り返りますと、相続税という税金ができた時代、贈与税は存在していませんでした。

いうまでもなく、贈与税という負担がなければ生前贈与してしまおう、と納税者は考えるわけで、結果として贈与税という税金が相続税の節税を防止するために創設された、と言われています。

補完するとは言っても…

贈与税は行き過ぎた生前贈与を規制する、とは言っても、一年間に110万円までの贈与なら、贈与税がかからないとされています。

一年間に110万円というと、少ないと思われるでしょうが、3人の子供に20年間毎年贈与すれば、6,600万円も相続財産を減らすことができます。このため、賢い方は、早いうちから相続人に110万円ずつ毎年生前贈与をされています。

私が見てきた中には、相続人が小学生のうちから毎年110万円ずつ生前贈与を行ってきた、という方すらいらっしゃいました。

小学生であれば、自分でお金の管理ができるとは言い難いですから、場合によっては贈与したのではなく、相続人名義の口座にお金を移しただけ、とされるリスクがあります。しかし。110万円までならOKとされているからか、税務署から否認されたことはないようです。

贈与は手続きが簡単で、誰にでもできることですから、早いうちから相続税を見据えて生前贈与することも、一考の余地があります。

執筆  松嶋洋 WEBサイト
平成14年東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。国税局を退官後、経団連関連の税制研究所において、法人税制を中心とするあるべき税制の立案と解釈研究に従事。現在は、税務調査対策及び高度税務に関するコンサルティング業務に従事するとともに、税理士向けに税務調査・法令解釈のノウハウにつき講演執筆活動を行う。

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