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不動産販売業者は消費税の取り扱いに気をつけなければならない

最近大きな問題になっている消費税の税務の一つに、不動産販売会社に対する消費税の問題が挙げられます。不動産販売会社は、原則として建物を仕入れて転売する事業を営みますが、この場合に仕入れる建物がすでに入居者が存する居住用マンションのような場合に問題が生じます。

具体的には、建物を仕入れてもすぐに売れるとは限りませんので、建物を仕入れた不動産販売業者にはその建物から生じる居住用賃料が収入されますが、この収入は消費税の非課税当たりますので、原則として仕入れた建物の消費税の全額を差し引くことができないことになります。

消費税の計算の仕組み

消費税は、売上に対する消費税から仕入などの支出に係る消費税を差し引いて計算されます。ここで問題になるのは、差し引ける消費税の税額のうち、非課税の収入に対応する部分は原則として控除が制限されるということです。

先の例で言えば、居住用賃料が発生しますので、建物の消費税は非課税の収入にも関係することになります。もちろん、建物を販売すれば消費税が課税されますので、建物の仕入れは非課税の収入と課税の収入の両方に共通する支出となります。

従来の取扱い等

こうなると、消費税の控除が制限される訳ですが、そもそも建物の転売は粗利が少ない商売ですから、消費税の負担が生じるとなると不動産販売会社の経営を直撃することになります。とりわけ、消費税の10%増税が決定している現在、その影響は非常に大きく大きな問題になっています。

このような事情が考慮されたのか、従来の取扱いとしては、居住用賃料が発生したとしても、そもそも転売という消費税が課税される収入を得るための仕入れであるとして、非課税の収入に関係するものではなく、建物の消費税の全額を控除してもいいとされていたようです。しかしながら、近年このような取扱いが見直されたようで、東京国税局など一定の国税局の管内の税務署においては、このような不動産販売会社に対し消費税の追徴が広く行われているようですから、注意が必要です。

回避する方策はある

このような負担を回避するためには、特別な対策をとる必要があります。このあたり、多くの税理士は詳しくないため、関心がある方はお尋ねください。

専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。

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