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来年からコンビニでQRコード納税ができるようになる一方で…

国税の納税の特例として、コンビニ納付が平成20年から認められています。コンビニ納付は納付額が30万円以下の国税についてコンビニで納付することを認める制度です。ただし、このコンビニ納付は税務署が作成したバーコード付納付書が必要であるとされており、このバーコード付納付書は、以下の場合に発行されると規定されています。

納付書発行の条件は?

(1) 確定した税額を期限前に通知する場合(所得税の予定納税等)
(2) 督促・催告を行う場合(全税目)
(3) 賦課課税方式による場合(各種加算税)
(4) 確定した税額について納税者から納付書の発行依頼があった場合(全税目)

注意したいのは、(4)です。納税者から依頼があった場合に発行されるとありますので、電子申告をした後、バーコード付納付書が交付されるまでタイムラグが生じることから、すぐに納税をしたくともできません。先日国会を通過した平成30年度改正においては、この手続きが見直され、電子申告後即コンビニ納付ができるように措置されます。

具体的な改正内容

具体的には、電子申告などをした際、税額や税目などのデータを記録したQRコードがPDFとして表示されるという仕組みになるようです。そしてQRコードを基にコンビニで納付の手続きが可能になります。

このような仕組みにより、スマホをベースに納税ができるなど納税者の利便性の向上に大きく役立つと報道されています。反面、QRコードを読み取れる端末を設置しているコンビニでしか納税ができないことから、国税庁がこのような端末を設置する店舗を増やすよう働きかけていくということです。

この改正は、平成31年1月4日より適用されるとされています。

利便性の裏側には

数年前に実現した電子申告もそうですが、このような電子化を活用した改正が実現すると、納税者の利便性の向上につながり歓迎されます。その一方で、本当にこのような改正が実現して得をするのは国税当局であることも押さえておくべきでしょう。

電子申告が推進されることで申告書を入力する手間がなくなりますし、この改正でバーコード付納付書を郵送するなどの手間がなくなりますから、国税はマンパワーをその他の業務に活かすことができます。言うまでもなく、そのマンパワーは税務調査に向けられるでしょう。

こういう訳で、今後の税務調査が厳しくなることも想定されますので、より適正な申告に務める必要があります。

専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。

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