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雪だるま式に増える延滞税を止める唯一の方法「予納制度」が来年から改正

先日国会を通過した平成30年度税制改正においては、コンビニ納付の改正にあわせ、予納制度の改正も実現しています。予納制度とは、最近において納付すべき税額の確定することが確実であると認められる国税について、あらかじめ納税者が申し出て納税をするという制度を言います。予納制度は、延滞税などの国税に関する利息相当額を削減する方法として認められています。

予納制度とは?

具体的に申し上げると、例えば税務調査で国税と折衝している最中、まだ決着していないものの今後1億円程度の納税が確実視されるとします。交渉に時間がかかり決着しない場合や、仕事嫌いでかつスピードが遅い国税職員の怠慢によって、税務調査の決着がつかず納税ができないとなると延滞税が雪だるま式に膨らみます。こうなると納税者にとっては不利益ですので、納税が確実視される国税については、先立って納付することを認めているのです。予納をしてしまえば、その部分について、予納後は延滞税の対象にならないとされています。

改正後の予納制度のポイントは2つ

予納制度は、税務調査でじっくりと交渉する場合などに活用されていますが、この予納制度のキーワードは、「最近」と「申し出て納税」の二つです。この二つのポイントについて、平成30年度改正においては、改正がなされています。

なお、以下に述べる予納制度の改正は、平成31年1月4日から適用するとされています

最近の意義と改正内容

最近、すなわち近いうちに納税額が確定する国税について予納が認められるわけですが、この最近とは国税の通達において今後6月とされています。この通達の定めについて、平成30年度改正においては、今後12月に改正されることになりました。

このような改正理由はよくわかりませんが、近年は税務調査が税務調査手続きが大変になったこともあって相当長引いています。このため、今後6月では短すぎるため、敢えて12月にしたのではないかと考えられます。

ダイレクト納付も利用可能になる

次に、「申し出て納税」に関する改正ですが、予納制度についてダイレクト納付も利用可能になります。ダイレクト納付とは、税務署へ事前に口座の届出をすることにより、インターネットバンキングを利用しなくても、e―Taxを経由して、即時または納税者が指定した期日に口座からの振替により納付ができる電子納税の仕組みをいいます。これを活用すれば、パソコン等で事前に納付時期・納税額を登録し、一定期日に口座から引き落としができるように設定して納付することも可能となります。

ダイレクト納付により、予納がやりやすくなります。

専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。

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