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軽減税率を理解する上で最低限抑えておくべき対象と例外を税理士が解説 1

平成31年10月からの消費税増税と軽減税率の導入がほぼ確実視されています。国民生活に大きな影響を与える消費税増税はもちろんのこと、軽減税率という複雑怪奇な制度が導入されることで、税務実務は大混乱に陥ることは間違いありません。

この点を踏まえ、最低限の知識として、軽減税率の対象と例外を押さえておきましょう。

対象となるのは2つ

軽減税率の対象となるのは、一定の飲食料品と一定の新聞です。生活必需品である飲食料品は別にして、新聞がなぜ対象なのかよく分かりませんが、一説によると、政治的な意味合いもあるようです。

話を戻しますが、その範囲をもう少し深く見ますと、一定の飲食料品は「食品表示法に規定する食品(酒類を除きます。)」とされており、一定の新聞は「一定の題号を用い、政治、経済、社会、文化等に関する一般社会的事実を掲載する週2回以上発行されるもので、定期購読契約に基づくもの」とされています。

飲食料品の判断

このため、ごく簡単に言えば、酒以外の飲食料品が軽減税率になる訳ですが、その例外として以下のようなものが挙げられています。

1 外食やケータリングは軽減税率の対象にならない

軽減税率の対象になるのは、あくまでも飲食料品の「譲渡」です。これらは、飲食に関する「サービスの提供」に当たるため、軽減税率の対象にならないことになります。

一方で、マクドナルドなどで行われる「テイクアウト」や寿司屋などの「出前」は、飲食料品の譲渡に当たるため、軽減税率の適用対象になると解説されています。同じ飲食店で同じようなものを提供しても、軽減税率の対象になるものならないものに区分されますので、しっかりと区分しなければならないのです。


2 一体資産の取扱い

一体資産とは、おまけ付きのお菓子など、飲食料品と飲食料品以外の資産があらかじめ一体となっている資産で、その一体となっている資産に係る価格のみが提示されているものをいいます。この一体資産については、税抜価額が1万円以下であって、食品の価額の占める割合が2/3以上の場合、全体が軽減税率の対象になるとされています。

なお、2/3以上の判断については、売価を基に合理的に区分するか、若しくは原価を基に合理的に区分することになります。原価の方が区分しやすいため、実務としてはこちらがメインになると考えられます。(以下次回)

専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。

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