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税務調査で申告漏れを発見するための支払調書に発行義務はあるのか

税務調査で申告漏れを発見するため、国税が所定の所得の支払者からその支払情報を収集できる制度として、支払調書の制度が設けられています。この支払調書として有名なものは、税理士などの士業に支払った報酬や、原稿料などの所得に対する調書です。

これらの所得は、それが個人に対する支払いである場合、源泉徴収の対象になるものですので、源泉徴収税額もその調書には記載されています。

給与所得の源泉徴収票とは

支払調書と似た書類として、給与所得の源泉徴収票があります。この源泉徴収票はお給料を支払う従業員がいる場合に作成されるものです。この源泉徴収票は、源泉徴収税額や支払った給与の額はもちろん、その給与が年末調整の対象になる場合には、生命保険料控除の金額や社会保険料控除の金額も記載されます。

このような金額も記載されますので、給与の支払いを受ける方については、その源泉徴収票を持って確定申告をすることが多くあります。例えば、適用初年度の住宅ローン控除については、売買契約書などを添付して国税に確定申告する必要がありますので、これらの書類と同時にこの源泉徴収票も添付して確定申告することがほとんどです。

このような事情がありますので、給与所得の源泉徴収票については、給与の支払者が従業員に交付する義務があるとされています。実際のところ、例えば確定申告で医療費の控除を受けるような場合、源泉徴収された税額の一部が返ってきますが、この確定申告に源泉徴収票の添付がないと、原則として還付されないことになります。

報酬の支払調書などは交付義務がない

一方で、先の報酬の支払調書は、支払先に対して交付義務がないとされています。実務上、給与所得の源泉徴収票は交付義務がありますから、それと同様に考えてしまいがちですが、あくまでも交付をしなければならない先は税務署であり、報酬の支払先ではありません。

このため、実務上は報酬の支払調書を交付する会社もありますが、仮に交付がなかったと言っても、交付を求めることは建前としてはできませんし、交付に応じてくれない場合もあります。

このため、仮に支払調書がなくても、確定申告の際は源泉徴収された税額を控除することができます。もちろん、源泉徴収された税額などについて記録をしておく必要はありますから、この点注意してください。

専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。

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