HOME > 法律コラム > 学校で水を飲んでも窃盗にならないのに充電したら窃盗になる理由って?
前回のコラムでは、許可無く充電することが、窃盗になるかどうかについて触れた。
結論としては、そのコンセントが何のために備えられているかが重要であり、その目的以外で、無断で充電する場合は窃盗になるということであった。
今回は、大学で水を飲むことが窃盗にならずに、充電したら窃盗になってしまう理由について、前回同様、鈴木翔太弁護士に話を伺った。
当然ではあるが、学内で使われる水道代や電気代は大学が負担している。しかし水は自由に飲むことが出来ることに対して、電気は違う。
「学生は、講義の受講や研究といった学習のために大学に行きます。学生が大学で過ごすと、水を飲んだりトイレに行ったりすることが必然的に起こります。すなわち、これも学生生活の一部と言えるため、大学の設備では水道が自由に使えるように整備されているのです」(鈴木翔太弁護士)
「一方で、確かに大学の講義室や図書館にはコンセントが備えられていますが、これは学生が学習のためにパソコンを使用することができるようにするためです」(鈴木翔太弁護士)
つまり、大学生活を送る上で、私用となるスマホの充電は、その目的にそぐわないということだろうか。
「講義のノートをとったり課題のレポートを作成したりするために大学のコンセントを使用することは問題ありませんが、私用のスマホ等を充電することは学生生活の一部と評価することができず窃盗罪に該当しえます」(鈴木翔太弁護士)
学生生活の一部になりえるかどうかが重要であると鈴木翔太弁護士は言う。最後にこんなことも付け加えて頂いた。
「もちろん、水道についても同様に、あまり想定できないケースではありますが、大学の水道で私的な洗濯をしたり、自宅で料理に使うために水を持ち帰ったりすることも窃盗罪に該当しえます」(鈴木翔太弁護士)
今回は学校に限定しているが、当然学校に限った話ではない。充電がなくなっても、無断で充電して窃盗で捕まることがないよう、バッテリーを持ち歩くことをオススメしたい。