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隠し口座も為す術なし!驚くべき税務署の情報収集能力とその方法を大公開!

前回、外国の口座情報も日本の国税庁に自動的に共有されると申し上げましたが、言うまでもなく、日本の口座情報も国税庁は収集しています。
国税庁は、国内の預金情報を「ヨコメ」というやり方で、幅広く入手しているのです。

ヨコメって?!

本来、国税庁が銀行の預金情報を確認するためには、その預金を保有する納税者を税務調査する必要があります。この納税者の税務調査上必要だから、その納税者の預金情報を確認させてほしい、といった形で預金情報をチェックするのが大原則となっているのです。

しかし、これでは限られた納税者の預金情報しかチェックすることができません。このため、税務署は折に触れて、その納税者の預金情報を確認しながら、他の納税者の情報も横目で確認することとしています。これがヨコメであり、ヨコメで入手した情報のうち、怪しいと思う預金については、適宜国税内部で情報を共有しています。

名義を変えてもすぐに見つかる!

ところで、相続税の脱税行為で有名なのは、被相続人の財産を少なくするために、敢えて妻や子などの名義を使った名義預金を作る行為です。このような名義預金も、かなり簡単に見つかります。

名義預金を作るということは、そのもととなるお金をどこからか持ってくる必要があります。相続税の税務調査においては、言うまでもなく被相続人の預金情報を税務署は洗い直しますので、いきなり多額のお金が被相続人の預金から消えた、となればどこかにお金が動いた話になりますので、そのお金の行方を追うわけです。

このような場合、よくあるのは被相続人の住所地の近辺の金融機関に対し、一斉にお尋ね文書を発送して、被相続人やその家族名義の預金がないか確認するという手法です。ここで仮にこのような預金が見つかり、先に消えたお金とその預金への入金が時期的にも金額的にもほぼ一致している、となれば即申告漏れが疑われます。

その他にこんなやり方も!

税務署には、情報を収集する仕事だけを行う部署が存在します。この部署の職員は、例えばある納税者の税務調査に同行して、その納税者の税務調査を行うふりをしながら、納税者の目を盗んで今後の税務調査に生きる情報を収集する、といった業務も行います。

よくあるのは、国税が狙う海外取引の情報を収集するため、海外投資や海外取引をたくさん行う納税者の税務調査に同行したり、証券会社においてヨコメを行うために、敢えて金融投資をたくさん行う納税者の税務調査に同行したりするケースが見られます。

不正的な行為は、国税の豊富な情報力の前になすすべがありません。だからこそ、安易な脱税は割に合わない取引なのです。

執筆  松嶋洋 WEBサイト
平成14年東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。国税局を退官後、経団連関連の税制研究所において、法人税制を中心とするあるべき税制の立案と解釈研究に従事。現在は、税務調査対策及び高度税務に関するコンサルティング業務に従事するとともに、税理士向けに税務調査・法令解釈のノウハウにつき講演執筆活動を行う。

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