HOME > 法律コラム > 【ドラクエ】勇者の素行が法的にどうなのか、弁護士に聞いてみたら本気の回答をもらえた件
『ドラゴンクエスト』
ゲームのジャンル「RPG」の顔と言える存在でおなじみ。今なお新作がリリースされ続け、多くのファンに愛される大作シリーズです。
「魔王を倒す為に他人の家に入り、タンスを漁る」行為はファンの間でネタにされながらも、この作品を支える伝統のひとつになっています。
これ、もし舞台が現代日本の場合、法的にどうなるのか……。なーんて、そんな大人げない質問を忙しい弁護士先生にしちゃいけないよね! と思っていたら、「ルパン三世」や「リアルに罪深いアニメキャラ」の件でお世話になった佐藤大和先生がきっちり答えてくれました!
先生は「ドラクエ3」が大好きだそう。本物のファンだ……!
こんなナンセンスな質問にも真面目に対応してくれるなんて素敵すぎます!では、さっそく解説をお願いします!!
勇者は、仲間たちを引き連れて、大事なアイテムを手に入れるため、他人の家やお城に入ります。このシーンは、「ドラクエ」ではよくあるシーン。
もしかしたら、皆さんもゲームをしながら違和感があったかと思います。
そうです! 実は、この行為を法律的な観点で分析しますと、「住居(もしくは建造物)侵入の罪」に問われてしまいます。
そして、この住居侵入の罪では、「3年以下の懲役または10万円以下の罰金」になってしまうのです。
今度は「なんと!!」他人の家のタンスや宝箱の中身を、まるで自分の物であるかのように、しれっと持って帰ります。
これは皆さんもすぐにわかったと思います。
その通り、この行為は「窃盗罪」です。もちろん何かを壊した場合には「器物損壊罪」にもなっちゃいます。
さて、ドラクエの主人公たちは、常にモンスターたちと闘っています。
でも、待ってください。ここでちょっと考えてみましょう。
もし「仮に」、モンスターたちが「動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)」に規定される「愛護動物」にあたるときは、「2年以下の懲役又は200万円以下の罰金」になる可能性もあります。
また、モンスターが、「仮に」ペットとして飼育されているなど、他人の所有物に当たる場合には、「器物損壊罪」に問われる可能性さえあります。
そして、そして、ですよ! 気になるのは、たまに闘っている人物が明らかに「人」ではないかと思うようなシチュエーションが、ドラクエには存在するのです!
「えっ、まさか勇者が???」
そうなのです。当然のことですが、もし相手が人であれば、勇者には「傷害罪」や「殺人罪」の適用も視野に入れなければならなくなってきます(涙)。
と、悪ふざけをしながらも、真面目に考えてみますと、「ドラクエ」の世界で繰り広げられていることは、とっ~~ても恐ろしいことだとお気づきになりましたか……。
「ドラクエ」の世界は、割と「無法地帯」と化していながらも、私たちはそれを一切気にも留めることなどないでしょう。というか、そんなことを気にしていたら、ゲームを楽しめません。
もし仮に私たちの身の回りで起こってしまうと大きな問題になることばかりですから、ドラクエの主人公たちに憧れることはあっても、絶対に彼らの行為を真似しないでくださいね。真似したら、「勇者」ではなく「犯罪者」になってしまいますからね。
佐藤先生、今回もありがとうございました!
ドラクエ世界での「愛護動物」……はぐれメタルが思い浮かびました。
かくいう筆者もドラクエ大好き! 特に「5」の大ファンです。久しぶりに遊びたくなったので、これから買いに行って来ます!
さあ冒険の始まりだ!!