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誰にだって知られたくない秘密はある?!もしもそんな秘密をバラしたらどんな罪になる?

前回、音楽プレイヤーのリストを無断で見ることがプライバシーの侵害になり得るかどうかを井上義之弁護士に伺った。

そこではプライバシーとはそもそも何であるか、そして音楽データがそのプライバシーに含まれるのかを解説していただき、結論としてプライバシーの侵害になるという結論であった。

さて今回は、そんなプライバシーをもしも第三者に知らせてしまった場合に、どんな罪に問われるかを、井上義之弁護士に再度伺った。

プライバシー侵害行為自体を処罰する犯罪類型はない

「他人の音楽データをのぞき見るために、他人の家に勝手に侵入したり、他人のパソコンや音楽プレイヤーを盗んだりする行為は当然犯罪となりえますが、一般的にプライバシー侵害行為自体を処罰する犯罪類型はありません」(井上義之弁護士)

「例えば友人が置き忘れた携帯端末の音楽データを勝手に見てその内容を第三者に開示しても、刑事上処罰される可能性は低いと考えられます」(井上義之弁護士)

プライバシーの侵害罪なるものがあれば、実際に処罰となるのだろうが、例えば音楽プレイヤーを無断で見ること自体はプライバシーの侵害であっても、具体的に処罰されるようなことはないだろうと井上義之弁護士は言う。

しかしプライバシー侵害行為により、民事責任を問われる可能性はある

「開示された事実が人に対する社会的評価を貶めるものである場合に名誉毀損罪の成否が問題になったり、開示の対象方法如何では、著作権侵害になったり、不正競争防止法に抵触することなどが理論上は考えられる程度です」(井上義之弁護士)

プライバシーの侵害をされたことで、その人に対して何かの責任を問うことはできないのだろうか。

「仮に刑事上処罰されない場合であっても、プライバシー侵害行為により民事責任(不法行為に基づく損害賠償責任等)を負うことがあります。犯罪でないから問題ないということにはなりませんので注意が必要です」(井上義之弁護士)

「自分がされて嫌なことを人にしてはいけない」という言葉もある通り、ここまで人のプライバシー(秘密)をバラすことが、刑事・民事においてどんな責任を問われるのかをまとめてみたが、あまりにも度が過ぎると法的責任を問われることもあるので、是非気を付けていただきたい。

取材協力弁護士  井上義之 事務所HP
第一東京弁護士会所属。主な活動歴「文部科学省 研究開発局 原子力課 原子力損害賠償紛争和解仲介室 主任調査官」「関東財務局 関東経済産業局 中小企業経営革新等支援機関」「第一東京弁護士会 労働法制委員会」などその他多数あり。趣味は60カ国以上を訪問してきた旅行(南極大陸も経験あり!)、キリマンジャロやヒマラヤなども経験済の登山、その他スポーツ全般。取扱分野は幅広く、依頼者のあらゆる要望に応えるために、他の士業とも連携し迅速対応を心がけています。

ライター 大田タケル Twitter Blog

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