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犯行予告の違法行為ツイートを発見してすかさずリツイート!まさか共犯?!

気軽にできるリツイートはTwitterの楽しみの一つであることは言うまでもない。リツイートされ、その後多くのユーザーに拡散されていくのは見ているだけで楽しいものであるが、実はそのリツイート、気をつけないと犯罪行為となる可能性がある。

当コラムでも過去に「犯罪行為の可能性がある4種類のリツイート」と「リツイートが犯罪行為と認められた場合に、フォロワー数は罪の重さに影響するか」という内容で取り扱った。

そこで今回は「著作権法違反ツイートをリツイート」、「犯罪予告ツイートをリツイート」、「過去の犯罪歴告白ツイートをリツイート」した場合でも何かの罪に問われるかどうかを再度、中島宏樹弁護士に伺ってみた。

著作権法違反の画像や動画をリツイート:諸説あるが正犯あるいは幇助犯の可能性あり

ではまず著作権法違反の画像や動画をリツイートした場合はどうだろうか。

「諸説はありますが、著作権違反の画像や動画をアップする行為が著作権違反に該当し、リツイートも正犯あるいは幇助犯に該当するものと考えられます」(中島宏樹弁護士)

正犯とはその犯罪となる行為を実行したものを言う。幇助犯とは、その正犯の実行行為を容易にする行為を行ったものを言う。
例えば殺人を行った人を正犯、その人に凶器となる拳銃を渡した人は幇助犯となるのだが、著作権法違反のツイートをリツイートすることが、ツイートした本人と同等であるとみなされる可能性があるという意味だ。

犯罪予告をリツイート:業務妨害罪に該当する可能性あり

では犯罪予告をリツイートした場合はどうだろうか。

「例えば、通り魔や爆破予告をリツイートし、警察が出動する事態になった場合、警察の業務を妨害したものとして、業務妨害罪に該当します」(中島宏樹弁護士)

確かにフォロワー数が多いアカウントが、炎上ツイートをリツイートすれば、確かにその影響力は大きそうだ。ちなみに業務妨害罪の法定刑は3年以下の懲役又は50万円以下の罰金となっている。

過去の犯罪歴をリツイート:名誉毀損罪に該当する可能性あり

では最後に「万引きしたことがある」と犯罪歴ツイートをリツイートした場合はどうだろうか。本人自らの意思で告白しており、その情報をリツイートしただけなので何も問題がないように思われるが。

「例えば、窃盗の犯罪歴をリツイートした場合、他人の名誉を棄損したものとして、名誉棄損罪に該当します」(中島宏樹弁護士)

名誉棄損罪は「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する」と規定されている。
つまり犯罪歴をリツイートする行為が、単なる拡散ではなく、事実の摘示や公開という意味合いが込められていると認定された場合、名誉毀損罪になる可能性があるのだ。

「他の人が言ってただけ」では通用しないかもしれないリツイート

冒頭でも述べたように、リツイートはTwitterの面白さの一つでもある

しかし、これまで述べたように、気軽な気持ちでリツイートをしたことが罪に問われることがあるのだ。

これをご覧になった方は、是非「他の人が言ってたことをツイートしただけ」という言い訳が通用しないかもしれないということを、頭の片隅にとどめておいても良いかもしれない。

取材協力弁護士  中島宏樹 事務所HP
京都弁護士会所属。京都大学法学部を卒業後、2005年に旧司法試験に合格。その後、法テラス広島法律事務所の初代所長にも就任。現在は弁護士法人京阪藤和法律事務所 京都事務所に所属。相談者に寄り添うことを信条に、冷静と情熱の絶妙なバランスを心掛け、理想の解決に迅速対応します。