HOME > 法律コラム > 弁護士としての実力が試される「減刑や不起訴獲得」 これって具体的に何をするの?
量刑の決定に当たって「署名の有効性」や「傍聴人を増やしたり、マスコミに取り上げてもらうこと」の二つが、どれくらい効果があるのかを以前のコラムでは取り上げたが、そこでの要点は以下の4つである。
(1)量刑は、事件に関する一切の事情を考慮して裁判官が決定
(2)しかし考慮される事情とそうでない事情があり、犯罪に直接関わりがあるかどうかが重要
(3)署名活動は、犯罪に直接関わりがある事情ではないが、それなりの効果は期待できる
(4)マスコミに取り上げてもらい、注目度を上げても、犯罪に直接関わりがないため減刑は期待できない。
そこで今回は弁護人が、実際に減刑を求めるにあたって具体的にどんな活動を行うのか、前回同様、星野宏明弁護士に伺った。
まずは減刑のための弁護活動とはなんだろうか。
「弁護側が減刑のために行う主な弁護活動としては、示談交渉と示談書の提出、被害弁償の交渉と被害弁償の証拠提出、減刑嘆願書提出、身元引受書提出、情状証人の出廷、反省文・謝罪文の提出などがあります」(星野宏明弁護士)
様々な活動があるようだ。では、この中で効果として期待できるものはなんだろうか。
「このうち、被害者がいる事件では、やはり示談交渉と示談書の提出、被害弁償の交渉と被害弁償の証拠提出が一番効果が大きいです。示談成立により、そもそも不起訴とされることも多いでしょう」(星野宏明弁護士)
不起訴、これは依頼者としては勿論、弁護人にとっても、最も望まれている結果であろう。
被害者がいる前提で伺ってきたが、今度は被害者がいない場合はどうなるのだろうか。
「被害者がいない事件や、示談・被害弁償ができない事件では、減刑嘆願書提出、身元引受書提出などをするしかありません」(星野宏明弁護士)
※被害者がいない事件とは売春や賭博、違法薬物、堕胎、ポルノ、自殺、武器所持などが挙げられる。
世の中で起こる事件の全てが、悪意を持った加害者とは限らない。中には思いもよらず起こってしまった事件や、そもそもそれ以前に冤罪という可能性もある。しかし、一旦逮捕されてしまうと、推定無罪であるにも関わらず、犯罪者のように扱われることがある。これを防ぐための唯一の方法は、やはり信頼できる弁護士の選任であることは言うまでもないだろう。