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確定申告で計算を間違ったため、税金を少なく申告していれば、税務調査によって是正されますが、それとは逆で税金を納めすぎた場合、その納めすぎた税金を還付してもらえる更正の請求という手続きが認められます。
従来、更正の請求は申告期限からわずか1年しか認められていませんでしたが、その期限が平成23年より5年に延長されています。このため、納税者にとっては非常に使いやすい制度になっていると言われています。
このように申し上げると、申告がまちがっていたとしても問題がないと思われるかもしれませんが、税務署としてもそうやすやすと税金を返したくはありませんから、更正の請求には多くの注意点があります。

法人税の特例として、事前確定届出給与というものがあります。これは、支給時期・支給金額が確定した役員賞与について、その旨をあらかじめ税務署に届け出ていれば、その賞与を原則として経費とすることができる、という制度です。この制度について、インターネットを検索してみると、こちらのブログには、合同会社はこの特例を選択できないと税務署から説明された、とされています。

報道によると、吉本興業の創業者一族が、3億1000万円の相続財産の申告漏れを指摘されたということです。これだけ見ると、悪質な課税逃れという印象を持ちますが、その背景には国税がめったに使わない強権を発動したことがあることも忘れてはいけません。

税務調査対策を売りにしているOB税理士は非常に多いですが、彼らがなぜ税務調査に強いかと言えば、基本的に調査官を舐めているからです。税務署の内情を知らない一般の方からすれば、税務職員は厳格な人ですごい知識がある、と思いがちですが、このような印象は基本調査官の実像ではありません。むしろ、事なかれ主義の公務員、というのがその実像であり、この点を知っているからこそ、OB税理士はかなり高圧的な交渉をして税務調査を乗り切っているのです。

税務調査の結果、間違いが見つかるとペナルティーとして加算税がかかりますが、たとえばその間違いが税務署の指導を悪意なく信用したために起こったもので、かつ納税者に責任がないのであれば、加算税をかけることは必ずしも妥当ではありません。このため、法律上、申告の間違いに「正当な理由」があれば、加算税はかからないとされています。

この正当な理由ですが、法律には明記されているものの、実務上はほとんど認められていません。その大きな理由のひとつに、正当な理由があって申告を間違えたことを、納税者が立証しなければならない、とされていることがあります。

税務調査に立ち会う際、納税者の方はもちろん、税理士からも「税務調査の録音は可能か」と聞かれます。刑事事件について行き過ぎた取調べ、といった話がよく報道されますから、税務調査においてこのようなことがなされないよう、調査官の発言を録音してリスクの軽減を図りたいと考える方は非常に多いところです。
この点、税務署としては録音を認めない、という見解に立っています。録音されると、それが流出した場合、税務職員の守秘義務から問題があることがその理由です。
このため、録音は認められないはずですが、私の経験上、調査官によっては録音機を目の前においても、嫌味を言うもののそれをやめるよう指導しない方も多くいます。

税制改正により、原則として平成25年から、税金を追徴する更正処分など、納税者にとって不利益な処分を行う場合には、すべからくその理由を書面で明確にする(理由附記)ことになりました。税制改正前は、理由附記は例外的な場合にのみ行うこととされていましたが、理由も分からないのに税金を納めさせられるのは常識として受け入れられることではなく、結果として原則になったのです。この理由附記について押さえておくべきは、理由が不十分である場合、納税者に対する不利益処分は違法になる、ということです。このため、国税としては、この理由附記に非常に慎重になっています。

税務調査の結果、申告した内容に間違いがあるとして、税務書から不利益な処分(更正処分)を受けることがありますが、このような更正処分に不服がある場合、税務署長に不服を申し立てて再度内容を審議する、異議申立てという制度が認められています。加えて、異議申立てを経ても、まだ不服があれば、国税不服審判所に審査請求を行うことができます。なお、審査請求を経てもまだ不服があれば裁判を行うことになります。
この異議申立てと審査請求をあわせて「不服申立て」といいますが、不服申立ては裁判という強行的な制度の前段階に当たるもので、納税者が簡便に救済を求めることができるための仕組みと説明されています。事実、裁判よりも早く結論が出ますし、裁判と異なり手数料もかかりません。

税務調査の決着に当たっては、原則として納税者を納得させなければなりませんので、調査官は税務調査の事案に応じて、追徴する税金を勉強するというアメを使うか、もしくは脅し的な文句で納得させるというムチを使います。
この脅し的な文句ですが、直接的にやってしまうと強行的でトラブルになりますから、最近は「署長もこの件については、税金を課税していいと納得済みです」といった形のプレッシャーをかけることが通例です。
署長は税務署のトップですから、トップの考えである以上、税務署としても譲歩しないため、もう交渉できないと思う納税者も多いですが、基本的に署長が納得していることはない、とお考えください。むしろ、納税者の反論を抑えるために、署長をだしに使っていることが通例なのです。

先般、外れ馬券が経費になるかが問われた最高裁判決がありましたが、大方の見込み通り、経費にならないとした国税の判断が認められず、納税者の全面勝訴という結論になりました。国税の判断の背景には、法律でもない国税庁の指示文書である通達で、競馬を一時所得としたことがあります。このため、通達を見直す旨を国税庁は発表しましたが、そもそも論として、今回のような違法な課税が行われたのは、通達の内容が間違っているのではなく、通達の使い方を国税が間違えたのが原因なのです。

全面敗訴で国税涙目となったハズレ馬券訴訟。そもそも自爆したという説のほうが正しい?!

請負に関する契約書には印紙税の対象になりますので、工事の請負契約書などには印紙が必要になります。
この、印紙税の対象になる「請負」について非常に間違いが多い点ですが、印紙税の請負と、一般的に考えられている請負(民法の請負)は、こちらにもあるように、その範囲が異なることがあります。
このため、民法に詳しい弁護士などが請負契約にならないと判断しても、印紙税の世界では請負契約に該当し、その契約書は印紙税の対象になってしまうことがあるのです。

確定申告により納付すべき税金を納税できない場合、遅延利息に相当する税金として、延滞税がかかります。この延滞税ですが、税務調査の結果間違いがみつかり、当初申告していた税金が、本来納付すべき税金よりも小さかったという場合にも、当初は納付が不足しているため課税されます。
このため、税務調査で間違いが見つかると、本来納付すべき税金と当初申告していた税金との差額、ペナルティとしての加算税、そして遅延利息の延滞税と3種類もの税金を追加で納税しなければならないことになります。

前回、売上を計上するタイミングについて解説しましたが、売上に関しては、もう一つ押さえておきたいポイントがあります。それは、売上と原価は個別対応させる、ということです。
商品販売においては、商品を仕入れた上で販売します。この仕入は売上に対する原価になり、原価は法人税の経費になります。しかし、原価が経費になるタイミングは、商品を売り上げた段階となり、売上が計上されて初めて原価も経費になるのです。
このため、売ってもいない商品の仕入れについては、お金は出ていくものの、法人税の経費とすることはできません。

税金の計算上、しばしば問題になることの一つに、いつの売上として認識するか、という問題があります。法人税は、事業年度ごとに申告しますので、売上を計上すべき事業年度が変われば申告するタイミングも違いますし、各事業年度において納税する法人税の金額も異なります。実際のところ、税務調査においても、売上を計上するタイミングは厳格にチェックされます。
このため、どのタイミングで売上を計上するかは非常に重要ですが、税法を読んでも具体的なタイミングは記載されていません。

昨年立ち会った税務調査の際、担当する調査官の経歴を調べてみると、元税務署長の方でした。このような、元税務署長の方が税務調査に来るとなると、納税者としてはただでさえ怖い税務調査がより厳しくなる、と思われると思います。しかし、元税務署長の税務調査は極めて甘い、というのが正直なところです。

税理士が顧問先に多く提案する節税の一つに、「短期前払費用の特例」という制度があります。これは、(1)いわゆる前払費用のうち、(2)支払日から1年以内に役務提供を受ける部分について、(3)毎期継続して支払った時の費用としている場合には、支払った段階で経費とすることができる、という制度です。

平成27年7月から出国税が導入されますが、この出国税がかからないうちに、株式の譲渡益に対して税金がかからない、香港やシンガポールに早く出国した方がいい、と考える方も多いように思います。この点、失念すると痛い目にあう制度があります。それは、事業譲渡類似株式の譲渡、という制度です。

ご存知の方も多いと思いますが、平成27年7月から、出国税が導入される見込みです。出国税とは、1億円超の資産があるような方が出国する際、有価証券などの一定の資産の含み益に課税する、という制度です。本来、有価証券などの譲渡所得は実際に売却しない限り税金はかかりませんが、出国する時に譲渡したとみなされて、譲渡所得税がかかることになるのです。

平成26年から、海外に5千万円超の資産を持つ方は、税務署に国外財産調書を提出しなければならないことになっています。この国外財産調書を提出しなかったり、記載すべき財産が漏れていたりすれば、税務署から厳しい処分がなされる可能性があります。実際のところ、この国外財産調書の提出は始まったばかりですが、記載内容について、税務署が厳しいチェックを行っているようで、税務署が国外財産調書を提出した方に、積極的にお尋ね文書を送付しているという情報を耳にしています。

買い物をすると、サービスや商品の購入に伴う特典として、他の店舗でも使えるポイントをもらえることがあります。代表例として、マイルや楽天ポイントなどが挙げられますが、このようなポイントについて、税金のルールは明確に決まっておらず、どのように税金を計算するべきか不明、という状況になっています。