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従来、大きな問題となっていたことの一つに、被相続人の預貯金について、遺産分割が確定するまで凍結されることがありました。被相続人の預貯金は遺産分割が確定するまでは相続人全員の財産となりますので、特定の相続人が出金できるとなると他の相続人に不利益を与えることになります。このため、相続が開始したタイミングで、預貯金が凍結されることになっていました。
ここで問題になるのは、相続が開始した場合、被相続人の葬儀費用など必要不可欠で高額の支出が発生することです。このような支出について、相続人が自腹を切るとなると大変ですから、一部被相続人の預金を使いたい。このようなニーズがありました。
この点を踏まえ、2019年7月1日より、預貯金の仮払い制度という制度が新たにスタートすることになりました。

争続対策として、重要になる遺言書については、以下の3種類の方式があります。
1 自筆証書遺言⇒遺言をする方が、ご自身で遺言書を作成する遺言
2 公正証書遺言⇒遺言書を公正証書の形式で作成するもので、公証人役場で作成されるもの
3 秘密証書遺言⇒公証人に、遺言書の存在証明だけを依頼する遺言。遺言内容を公証人にも秘密にしたい場合に作成される。

相続税で問題になる、非上場の株式の評価については、大きく分けて類似業種比準方式と純資産価額方式の二つの方法があります。前者は業種ごとに、上場企業の株価を参考に一定の調整をして計算する方法で、後者は評価する会社の純資産価額を基に評価する方法です。いずれにしても、評価する会社の貸借対照表や税務申告を基にして、所定の計算で評価額を算定します。

相続税では、現金以外の相続財産をもって納税する物納が認められています。この物納は相続税についてのみ認められた制度であり、実際のところは国も換価のリスクがある物納は認めたくないと考えています。このため、いろいろと制限があり、その制限をすべてクリアしなければ物納は認められません。

相続税の負担が大きいため、相続により取得した土地を譲渡するということはよくありますが、このような場合に押さえておきたい制度として、相続税の取得費加算という制度があります。相続により取得した財産には、当然ながら相続税が課税されています。一方で、その財産を売った場合には、譲渡所得税が課税されます。こうなると、同じ財産で二重に税金がかかり、負担が大きくなりますので、一定の場合には譲渡所得税の計算上、控除できる資産の取得費に、課税された相続税の一部を加算して取得費を大きくすることができるというのが、この相続税の取得費加算です。

株主総会では会社の最高機関ですので、会社の重大な意思決定においては、必ず開催しなければならないものです。特に、役員の選任や会社の決算の承認を行う定時株主総会は、毎期行うことが義務付けられています。
この重要な定時株主総会ですが、仮に大口の株主に相続があり、財産が未分割の場合には、いろいろと問題が生じます。

認知症などの精神上の障害により、判断能力十分でない方がいる場合、家庭裁判所の判断で周囲の方がその方の後見人となる制度として成年後見制度があります。判断能力が十分でないと、悪質な契約を結ばされるなどして不利益を被るリスクがありますが、このようなリスクから身を守るための制度であり、家庭裁判所に申立てをして、後見開始の審判を受けることで適用されます。
成年後見制度により後見される方を成年被後見人と言い、後見する方を成年後見人といいます。

近年、生命保険の税務においても大きな影響を及ばす節税保険について、その保険の販売を見合わせるというニュースが世間をにぎわせています。この節税保険は、保険税務の穴を突いたものので、定期保険に準じた取扱いとなり、その保険料の全額が経費になりますので大きな経費をつけることができます。

2020年4月からスタートする改正民法により、配偶者居住権という新しい権利が創設されました。この配偶者居住権とは、配偶者相続人が、遺産である被相続人の所有不動産に居住していた場合、その不動産を使用収益することができる権利を言います。この配偶者居住権は、以下のいずれかの要件を満たす場合に、成立するとされています。

認知症など、精神上の障害により判断能力が不十分な方を保護するための制度として、成年後見制度があります。判断能力が十分でないと、悪徳商法などの被害に合う可能性が大きいことからこの制度が設けられています。この制度の適用を受ける場合には、家庭裁判所に申立てをして、これらの障害がある方(成年被後見人)を援助する成年後見人を選定してもらうことになります。
成年後見人は、成年被後見人に代わって、その財産の管理などを行います。

相続税の土地評価は、評価対象となる土地の面積や形状に影響されますが、その評価方法はまずその土地の地目ごとに決まっています。具体的には、以下の9個の地目ごとに、異なる評価方法で評価することになります。

大きな負担と言われる相続税については、一定の者が相続をした場合、その税額が20%上乗せになるという2割加算という制度があります。具体的には、相続などで財産を取得した方が、以下のいずれか以外の場合に、この制度の対象になります。

被相続人が相続の開始時に居住の用に供していた宅地をその被相続人と生計を一にしていた親族が相続により取得し、それを申告期限までに自己の居住の用に供するなど、一定の要件を満たす宅地については、特定居住用宅地等として、その宅地の評価額を80%減額させることができます。

相続税においては、相続人の種類や取得した財の内容によって、一部または全部の税額控除が認められます。実務上、特に多いのは障害者控除と未成年者控除と言われる控除であり、それぞれ一定の相続人が障害者や未成年者であれば、これらの控除を受けることが出来ます。

相続税は被相続人の相続財産から被相続人の借金を控除した純財産に課税されるため、被相続人の借金などを相続財産から控除する債務控除という制度が設けられています。この債務控除として控除が認められるものの一つに、被相続人の葬式費用があります。
この葬式費用については、往々にしてその範囲が問題になりますが、原則として以下とされています。

法人化を活用して相続税の対策を行う、という手法はよく知られていますが、その理屈は、個人で持っている財産の評価額は、法人の株式の評価額に比して少なく評価される傾向があるからです。ただし、その法人が一定の特殊の会社に該当すると、その株式の評価額が思ったよりも下がらないため、その特殊な会社に該当しないようにうまく法人化する必要があります。
その特殊な会社の一例として、株式保有特定会社と土地保有特定会社を紹介します。

税務上、建物を建てるために土地を借りたり、自分の所有している土地にすでに建っている自分の建物を他人に譲渡したりする場合、土地を建物の所有者に貸すことになりますので土地を利用する権利である借地権を認識する必要があります。借地権を認識するとすれば、相当の税金が課税されることになりますので、その処理が問題になります。
実務では、借地権を認識すべき上記のような場合についても、借地権の問題を生じさせないために、税務署に無償返還の届出を提出することが一般的です。この届出を提出していれば、原則として借地権の問題は生じないことになっています。

平成30年度改正においては、相続税の申告書に添付する書類の範囲の拡大が行われています。具体的には、戸籍謄本を複写したもの等の被相続人の全ての相続人、当該相続人の法定相続分及び当該相続人が被相続人の実子又は養子のいずれに該当するかの別を明らかにする書類が加えられます。
従来は、相続開始日から10日以後に作成された戸籍の謄本で、被相続人のすべての相続人を明らかにするものが相続税の申告書の添付書類とされていましたが、戸籍謄本の複写で問題ないことになります。

贈与税の特例として、贈与税の配偶者控除と言われる制度があります。これは、夫婦間で居住用不動産そのものや、居住用不動産の購入資金を贈与した場合に、2,000万円まで贈与税が課税されないとする制度を言います。居住用不動産は、建物の持分などでも問題がなく、実務上は配偶者に居住用家屋の持分の一部を渡す、といった形で適用されることも多くあります。

ただし、贈与税の配偶者控除の適用を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります。

相続税対策でよく使われる一般社団法人は、法人ですので法人税が課税されます。課税方式は、原則として株式会社に対する法人税と同様であり、すべての所得に対して課税されます。
ただし、この取扱いはあくまでも原則であり、一般社団法人の中には非営利型法人と言われる類型もあります。非営利型法人に該当すると、宗教法人などの公益法人と同様に、収益事業を行っている場合に限って法人税が課税されることになります。