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報道などでよく言われることでもありますが、相続税対策として、手持ちの現金預金を使って土地や建物を購入すると都合がいいです。この理由は、現金預金は相続開始時点の金額そのままで評価され、相続税が課されるのに対し、土地や建物は原則として土地は相続開始時点の8割、建物は7割くらいで評価され、相続税が課税されます。
このため、例えば1億円の現金を持っている場合、土地を購入するだけで2千万円くらいは評価額を下げることができます。

前回、権利金のやり取りがない借地権の課税関係について述べましたが、このうち貸主・借主が共に個人である場合、原則として贈与税の課税関係が生じることになります。原則として、と記載しましたが、実際のところ贈与税が課税されることはほとんどありません。

贈与税でよくある問題点の一つに、贈与か貸付か、という話があります。親子や兄弟間でお金を貸し借りすることはよくありますが、親子であれば返済について取り決めず、お金がある時に返済すればいい、こんな形でお金を融通することが多いと思います。
この場合、返済を求めない以上は、貸付ではなく贈与に当たると国税が認定して贈与税の対象になる、と指導されることがあります。こうなってしまえば、貸し付けたはずの元金の全額に贈与税が課税されてしまいますから、後日の証拠として、金銭消費貸借契約書を作成するとともに、きちんとスパンを決めて返済するようにしましょう、と言われます。

相続税対策として、最も使われるスキームの一つに、一般社団法人があります。一般社団法人に個人の財産を移してしまえば、理論上、永久にその財産に相続税が課税されることがないためよく使われるのですが、このようなうまい話には当然リスクがあると言われる訳で、例えば以下のようなリスクには注意する必要があります。
(1)税制改正のリスク
(2)暴挙に出る税務調査のリスク

相続税の税務調査では、往々にして被相続人が過去に相続人に対して生前贈与をしているかどうかが問題になります。過去の生前贈与が有効に成立していれば、その生前贈与した財産は被相続人の財産ではなく相続人の財産になりますので相続税の課税対象にはなりません。しかし、生前贈与が有効でなかったのであれば、その財産は相続人の財産ではなく被相続人の財産と見るべきですから、相続税の課税対象になります。

個人が被保険者の死亡等に伴う生命保険金を受け取った場合、その課税関係は、保険料を負担する者と受取人によって、以下の通りに区分されます。
(1)保険料負担者=被保険者、保険金受取人=相続人等の場合
受け取る相続人等の相続税の対象になる
(2)保険料負担者=保険金受取人以外、保険金受取人=その他の個人の場合
受け取る保険金受取人の贈与税の対象になる
(3)保険料負担者=保険金受取人 
保険金受取人の所得税の対象になる(一時所得)

平成29年度改正においては、物納について大きな改正が実現しています。物納とは、文字通り税金をお金ではなく物で納めることを言いますが、この物納については相続税についてのみ認められています。
ただし、物納については、国税にとってはあまりうれしい制度ではありません。お金で納付してもらう場合に比して、融通が利かないからです。このため、物納できる財産の種類や、物納できる財産のうち優先的に物納すべきもの(物納財産の順位)について、かなり厳格な定めが設けられています。
平成29年度改正において見直しが図られたのは、上場株式についてです。

名義預金として国税が税金を課税するには、子供や配偶者などの名義となっている預金が被相続人の預金であることを国税が立証しなければなりません。このため、安易に国税の指摘に従うのではなく、粘り強く反論することを心がけておく必要があります。

相続税の税務調査において、最も多く国税から問題にされるのは、名義預金です。本当は被相続人の預金であるにもかかわらず、配偶者や子供名義で預金を作り、名義が違うことから被相続人の相続財産から除く、という相続税対策がよく見られますが、国税は名義に関係なく、実質的に被相続人の預金と言えるのかを問題にし、被相続人のものと認定できるのであれば、被相続人の名義預金として相続税を課税することになります。

実務上、相続税対策の一環として、親から子にアパートやマンションなど、不動産投資をしている物件を贈与することがあります。相続財産を減らしたり、不動産投資の収益を子に渡すことで納税資金を作ったりする目的でこのような贈与を行うわけですが、注意しておきたいのはその投資物件に係る敷金です。
アパートやマンションを賃貸する場合、賃借人から敷金を預かりますが、この敷金は将来賃借人に返すべきものですから、負債となります。この敷金を返済する義務については、賃貸している建物の所有者が変わる場合、建物の新所有者に当然に移転するとされています。つまり、親から子にアパートを贈与すれば、親が賃借人に返還すべき敷金についても、同時に子に移転することになります。

個人が土地や建物を売った場合、多額の譲渡所得が課税されますが、この場合の特例措置として、土地や建物などを交換したり、事業用資産を売却した譲渡代金で、その事業用資産の代替資産を購入したりした場合、一定の要件を満たす取引であれば、譲渡所得の課税の特例が受けられます。詳細は、こちらこちらをご参照下さい。
ここにもある通り、これらの特例を使うことで譲渡所得を圧縮することができ、節税することができます。要件は厳しいですが、有効な節税策になり得ますので、専門家と相談しながら積極的な利用を考えるべき制度と言われます。

相続税の節税の王道に、養子の活用があることはよく知られています。養子の数に制限はありますが(注:実子が居ればひとりまで、実子がいなければ二人まで)、養子を増やすことで相続税の基礎控除を増やしたり、保険金の非課税金額を増額させたりすることができます。このため、例えば娘の配偶者を養子にするなどして相続税対策をする納税者は多くいます。
この養子の節税について、先日注目すべき最高裁判決が出ています。節税目的で養子にすることが、無効と言えるのかどうかが問題になった事件です。

純金の仏像を買うと、相続税の節税につながる。こんな話を耳にされた方も多いと思います。この理由は、相続税が課税されない財産として、「墓所、霊びょう及び祭具並びにこれらに準ずるもの」が挙げられていることがあります。このような財産の一つとして、仏像が挙げられることから、純金であっても相続税の対象にはならず、結果として現金で持つよりも節税になる、と解説されています。

相続税の対象になる財産は、相続により取得した財産になりますが、被相続人及び相続人が相続開始前5年超海外に住所があれば、日本にある財産についてのみ課税されます。この取扱いは贈与税も同様であり、贈与前5年超海外に住所があれば、贈与した財産の内国外にあるものは、贈与税が課税されません。
このため、多額の財産を持つ富裕層の中には、早いうちからシンガポールなどの海外に移住し、5年たった後国外財産を贈与するという節税を行っている者が非常に多くいると言われています。なお、シンガポールでは贈与税の課税はありませんから、結果として贈与税の課税なく国外財産を贈与することが可能になります。
この5年ルールについて、平成29年度改正においては見直しがなされ、5年ではなく10年超海外に住所がなければ、国外財産が非課税にならないことにされました。この改正は、平成29年4月1日以後の贈与等に適用されます。

前回も申し上げましたが、相続税の申告義務は、相続財産の総額が相続税の基礎控除を超える場合に発生します。ここで誤解が多いのは、相続税を計算した結果、相続税が産出されず納税額が出ない場合にも、申告義務がないと勘違いすることです。
相続税には、配偶者が取得する財産が法定相続分(1億6千万円に満たない場合には1億6千万円)までであれば税金がかからない配偶者の税額軽減や、居住を継続する宅地などについて評価額を大きく減額する小規模宅地の特例などの減額措置があります。これらの減額措置を使うことで、結果として納税額が出ない場合がありますが、これらの特例は申告して初めて適用されることになりますので、申告がない場合には適用を受けることができません。つまり、特例的な措置を使った結果として納税額が出ない場合には、申告が必要になるのです。
いずれにしても、これらの特例を使う場合には、確実に申告が必要になります。

平成27年1月1日から、相続税の課税最低限である基礎控除が6割に縮減するなどした大増税の関係で、相続税の申告をしなければならない方が非常に増えています。この点、国税も非常に神経を使っているようで、相続があった方に対しては、申告の必要があるかどうか、国税から相続税のお尋ねが相続開始から数カ月たって広く発送されています。
このお尋ねを見て、相続税の申告の必要を把握される方も多いですが、このようなお尋ねの発送先を国税がどのように把握しているかご存知でしょうか。

平成28年度改正により、空き家問題の解決のため、所定の空き家を譲渡した場合には、居住用財産の特別控除と同様に、3000万円の控除が受けられることになりました。居住用財産の特別控除は、譲渡する者が実際に居住の用に供している物件が対象になりますが、この制度は、実際に譲渡する者が居住している必要はなく、相続などで取得した物件が対象になります。この控除は、居住用財産の特別控除と併用することも可能です。詳細はこちら(PDF)をご参照下さい。

日本の大きな問題の一つに、空き家問題があります。少子高齢化によって実家を引き継ぐ子供が減少した結果、地方にある実家が誰も管理しない空き家になってしまう、という問題が近年多数発生しています。空き家が増えれば、その分環境問題や犯罪の温床になる可能性も指摘できるわけで、早急に解決しなければならない問題と言えます。
この問題について、腰の重い政府も対策を講じており、所定の空き家について、固定資産税の大幅増税がスタートしています。

オーナー企業では、オーナーの持つ自社の株式の株価が大きくなりすぎたため、後継者に贈与や相続で承継してしまうと、恐ろしい税金がかかるため、株式の承継ができないという問題が生じる可能性があります。この問題の解決のため、銀行がよく提案し、かつ実例も最も多い手法が持株会社スキームです。

相続税の節税において、大きな役割を果たすのが小規模宅地等の特例という制度です。被相続人の居住の用や事業の用に供している宅地を、一定の相続人が承継した場合、その宅地の評価額を最大80%減額させることができますので、非常に有用な制度です。