相続税対策として、最も使われるスキームの一つに、一般社団法人があります。一般社団法人に個人の財産を移してしまえば、理論上、永久にその財産に相続税が課税されることがないためよく使われるのですが、このようなうまい話には当然リスクがあると言われる訳で、例えば以下のようなリスクには注意する必要があります。
(1)税制改正のリスク
(2)暴挙に出る税務調査のリスク
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建物を賃借して造作を施す、ということはよくありますが、ここで問題になるのが造作に係る費用については、減価償却の対象になるということです。
税務上、賃借した建物に対する造作は、原則として造作をした建物の耐用年数、その造作の種類、用途、使用材質等を勘案して合理的に見積もられた年数により、減価償却を行うこととされています。
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個人の確定申告で税理士も頭を悩ませる問題の一つに、為替差益の問題があります。為替差益とは、外貨建ての資産を持っている場合における、円換算による利益を言います。例えば、一ドル100円の時に1万ドルの預金をした場合、1ドルが120円になれば、為替差益は20万円(=(120円―100円)×1万ドル)と計算されます。
この為替差益については、所得税の計算上雑所得として課税されることになりますが、実務上、問題になるのは為替差益を計上するタイミングです。
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王道的な節税の一つに、アメリカなどの海外にある中古の木造不動産を買うことがあります。このような木造不動産が節税になるのは、建物に関する経費である減価償却費を大きく取れるからです。
不動産を貸した場合、それは不動産所得として所得税が課税されます。ただし、不動産所得の計算上発生した赤字については、給与などの所得と通算することができます。ここで重要なことは、木造住宅については、耐用年数がかなり短いということです。
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会社の税務調査で問題になる項目の一つに、交際費があります。交際費については、原則として中小企業であれば800万円を超える部分、大企業についてはその支出額の全額が経費にならないという取扱いが設けられています。
ただし、交際費は営業活動に必要不可欠な費用であることは間違いなく、いわゆるトップ営業マンと言われる方々は、800万円という枠を超える支出額があることも珍しくはありません。このような営業マンの方によく言われる節税の一つに、法人ではなく個人で事業を行うことが挙げられます。
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個人事業主の所得税の計算上、経費として認められるものは、「業務に直接必要な経費」に限られると国税は説明しています。しかし、法律をしっかりと読むと、「直接必要」とまでは明記されておらず、「業務に必要」なものであれば経費になると書かれています。
この点、実は裁判でも明らかにされています。5年ほど前の事件ですが、弁護士が支払った弁護士会の役員等としての活動に伴って支出した懇親会費用について、必要経費と認められています。このような懇親会費用は、弁護士会という団体の費用として見るべきですので、弁護士個人の「業務に直接必要」とまでは言えません。しかし、「業務に必要」な費用であることは間違いないとして、裁判所は必要経費として認めています。
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相続税の税務調査では、往々にして被相続人が過去に相続人に対して生前贈与をしているかどうかが問題になります。過去の生前贈与が有効に成立していれば、その生前贈与した財産は被相続人の財産ではなく相続人の財産になりますので相続税の課税対象にはなりません。しかし、生前贈与が有効でなかったのであれば、その財産は相続人の財産ではなく被相続人の財産と見るべきですから、相続税の課税対象になります。
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個人が被保険者の死亡等に伴う生命保険金を受け取った場合、その課税関係は、保険料を負担する者と受取人によって、以下の通りに区分されます。
(1)保険料負担者=被保険者、保険金受取人=相続人等の場合
受け取る相続人等の相続税の対象になる
(2)保険料負担者=保険金受取人以外、保険金受取人=その他の個人の場合
受け取る保険金受取人の贈与税の対象になる
(3)保険料負担者=保険金受取人
保険金受取人の所得税の対象になる(一時所得)
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平成29年度改正においては、広大地の評価について「現行の面積に比例的に減額する評価方法から、各土地の個性に応じて形状・面積に基づき評価する方法に見直すとともに、適用要件を明確化する」という名目で改正が行われます。
ここにある通り、現在広大地の評価は広大地の面積が大きければ大きいほど、その評価額が減額される仕組みです。しかし、土地の売買をする際、その売買の金額は土地の形状や面積に基づいて決まりますので、一律面積に応じて減額されるようなものではありません。この点、問題視されて土地の個性に応じた評価とする、としたのがこの改正です。
この改正は、平成30年1月1日以後の相続等について適用されます。
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平成29年度改正においては、物納について大きな改正が実現しています。物納とは、文字通り税金をお金ではなく物で納めることを言いますが、この物納については相続税についてのみ認められています。
ただし、物納については、国税にとってはあまりうれしい制度ではありません。お金で納付してもらう場合に比して、融通が利かないからです。このため、物納できる財産の種類や、物納できる財産のうち優先的に物納すべきもの(物納財産の順位)について、かなり厳格な定めが設けられています。
平成29年度改正において見直しが図られたのは、上場株式についてです。
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中小企業の法人税の税務調査では、売上や原価、そして人件費など金額が大きい科目を優先的にチェックしますので、交際費などの経費は後回しにすることが通例です。このため、経費はざっくりと調査官がチェックすることが多いのですが、この際押さえていただきたい基準として、支払金額が10万円以上のもの、という基準があります。
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税務調査で問題になる項目の一つに、売上を除外した資金などの取扱いがあります。このような資金について、国税は何に使われたのか検討する必要がありますが、その使途を完全に解明することが困難ですので、実務では社長が個人的に使ったとして、社長に対する賞与として処理することが多くあります。
社長に対する賞与になると、賞与に対する源泉所得税などがかかりますので、税額が多額になることがほとんどです。こうならないよう、社長に対する賞与ではなく、社長に対してお金を会社が貸したという処理をしてもらうことも場合によっては認められます。これが、貸付金処理と言われるものです。
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税務調査に対しては大きなプレッシャーがかかりますので、一日でも早く終わらせたいというニーズがあります。早く終わらせる方法として、よく言われるのは国税の税務調査に協力することです。税務調査に協力し、調査官が見たい資料を早く用意し、かつ聞かれた内容にもすぐ答える。こうすれば、国税の仕事が早く終わるため、税務調査も早く終わると言われます。
しかし、これは間違いです。協力しても早く終わることは原則としてありません。
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推計課税という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。本来、税期の計算は実際に売り上げた金額や支払った経費を基に計算をしますが、例えば帳簿を全く記録していない悪質な納税者など、実際の収益費用を解明できない場合があります。このような一定の悪質な納税者に対しては、実額ではなく、だいだいこのくらいの売上があるはず、といった形で推計課税を行うことが国税には認められています。
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平成29年度改正により、平成29年7月1日以降に行われるビットコインの譲渡については、土地の譲渡などと同様に、消費税が非課税とされることになりました。従来、ビットコインの消費税については不透明な部分もあったのですが、この改正により平成29年7月1日前のビットコインの譲渡については消費税が課税されることも明確にされていますので、過去の処理も含めて見直しを行う必要があります。
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贈与税の時効は、原則として6年、不正取引と認定される場合には7年とされています。このため、仮に10年前に贈与があれば、贈与税の時効が成立しているため税金は課税されないと言われます。
実務上、相続税の申告書を作成する際、贈与税の申告はないものの、7年超前に被相続人が親族に多額の現金を送金していることが判明する場合があります。このような場合、贈与税の時効が経過しているため問題ない、と考える方も多いですが、実はそれほど単純な話ではありません。
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会社の財務状況を改善する方策として、債務の株式化(DES)という手法があります。DESとは、文字通り債権者が会社に対して持っている債権を株式とすることで、会社としては負債が資本に転換されることになります。
借金は返済しなければなりませんが、会社の資本金は株主に返済する必要はありませんので、多額の借金を有する会社が債権者からのDESを受けることで、会社の借金の負担が軽減され財務状況が改善することになります。
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最も簡単にできる合法的な節税手段の一つに、事業年度変更があります。事業年度変更をうまく使うことで、合法的に法人税の対象になる利益を先延ばしにすることができます。具体的には、3月決算の会社が3月に極めて大きな売上が見込まれている場合、決算期を2月に変更するとすれば、2月で事業年度が区切られることになり、4月~2月が一事業年度、3月~2月が一事業年度となりますので、その大きな売上を来年の3月まで1年間繰り延べることができます。
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法人に対して課される法人住民税は、納付する法人税に比例する法人税割と、資本金等の額や従業員数などに応じて一定額が課される均等割からなります。赤字であれば法人税も課税されませんので、法人税割はかかりませんが、均等割については一定額が課されるため赤字であっても課税されます。
この均等割を削減したい、というニーズは多くありますが、均等割が課されない方法として、よく言われるのは休眠会社のケースです。
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