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企業の設備投資などでよく使われるリースですが、一般的な賃貸借という認識とは異なり、法人税や所得税においては、売買とされるリース取引というものがあります。このリース取引は、いわゆるファイナンスリース取引と言われるものであり、解約不能という条項があり、かつリース資産に関するほぼすべてのコストを借主が負担するような一定のリース取引をいいます。
このようなファイナンスリース取引については、形式としては賃貸借であるものの、実際には借主は売買でリース資産を取得したこととほとんど変わらないため、法人税や所得税では、売買があったとして税金を課税することになっています。
売買があったという処理をするため、借りているリース資産を資産として認識するとともに、リース会社に支払うべきリース料総額のうち、未だ支払っていないものについては、リース債務として負債として認識する必要があります。

税務上、原則として経費と認められない交際費については、その範囲が問題になります。交際費に該当するかどうか、よく迷う費用として、タクシー代があります。例えば、得意先を招待してパーティーを行い、そのパーティー会場までの交通費としてタクシー代を当社が負担することがありますが、このタクシー代は自社が行うパーティーに招待する費用であり、交際費に該当するとされています。
一方で、招待される側がタクシー代を負担したとしても、それは他社のパーティーに参加するための費用ですから、旅費交通費であり交際費には当たらないとされます。詳細はこちらをご参照下さい。

企業によっては、従業員に対して、税理士や社会保険労務士などの資格を取得するための費用を補助する場合があります。このような費用補助については、お給料を支払ったことと同様として、源泉所得税の課税問題が生じます。
資格取得費に関する課税関係ですが、仕事に直接必要な資格や免許の取得費用のうち、その費用の額が適正なものであれば、給料として課税するのではなく会社の経費として認められるとされています。このため、例えば運送会社が従業員のために車の免許費用を負担した、というのであれば、その費用が適正なものについては、原則として給与として課税されない、会社の経費になると考えられます。
一方で、税理士や社会保険労務士などの資格については、仕事に直接必要かと言われれば難しい部分もありますので、中々経費として見てもらうのは難しいと考えられます。

会社法ではいろいろな種類の種類株式の発行が認められていますが、税務上その評価は以下の種類株式を除き、明確ではありません。
(1)配当優先の無議決権株式(配当は他の株式よりも優先されるが、議決権はない株式)
(2)社債類似株式(配当は他の株式よりも優先され、議決権もなく、一定の期日において本件株式の全部を発行会社が発行価額で償還するといった一定の要件を満たす株式)
(3)拒否権付株式(株主総会などの決議事項について、別途種類株式を有する株主の株主総会も必要とする株式)

会社法では、配当を受ける権利や株主総会の議決権などについて、一般の株式と異なる取扱いをすることができる種類の異なる株式を会社は発行することができるとされています。このような株式を種類株式といい、その典型例は優先株式です。優先株式は、利益配当に関して優先的に受ける権利を付与された株式を言います。
種類株式はそれ以外にもいろいろなものがありますが、この種類株式を応用することで、事業承継対策がスムーズにできると言われています。これらのうち、事業承継対策として使われるものをいくつか紹介します。

税務上、オーナー企業の株式など、非上場会社の株式の時価が問題になります。最も多いのはこのような株式を相続したり贈与したりする場合ですが、それ以外にも、このような株式を個人や法人に対して売買する場合の時価が問題になります。原則として、相続税や贈与税の計算上算定される評価額は売買される時価とは異なっていますが、非上場株式については、この評価額の計算を準用して算定される金額を、法人間で売買される時価とすることができるとされています。

建物を購入した場合など、多額の消費税を納税した場合には、消費税が還付される場合があります。消費税の還付について、最低限押さえておくべきは、消費税の納税義務者である課税事業者にならなければならないということです。
ここで問題になるのは、居住用マンションを購入されるなど、居住用の賃料を目的に不動産投資を行う場合には、原則として課税事業者になれないということです。この理由は、2年前の消費税がかかる売上(課税売上)が1千万円以上の場合に原則として課税事業者になりますが、居住用賃料は消費税が非課税であるため、課税売上が1千万円未満であることがほとんどだからです。

健康保険料や厚生年金保険料など、会社が負担すべき社会保険料については、原則として「当該保険料等の額の計算の対象となった月の末日の属する事業年度」において経費とすることができると定められています。
社会保険料は、会社と従業員が折半で負担し、当月分を翌月末に納付することになっています。このため、例えば3月分は4月末に納付する訳ですが、3月分の経費として未払計上することができます。
なお、法人税の経費になるのは、会社負担の経費に係る部分だけです。従業員負担部分は、当然ながら経費にはなりません。

法人税において、損金経理要件というやっかいな要件が設けられている規定があります。損金経理要件とは、決算において費用又は損失として経理することを要件に、法人税においても経費として認めてあげるという規定をいいます。
この典型例が、減価償却費です。固定資産を購入した場合、資産の耐用年数に応じて減価償却費を経費とすることができますが、経費とするためには会社の決算上で費用として経理していなければなりません。

所得税の計算上、本人又は生計を一にする親族の社会保険料を支払った場合、原則としてその支払った金額を控除することが出来ます。この控除を社会保険料控除といい、社会保険料控除の適用を受けるためには、国民年金の保険料を支払った場合を除き、特に添付資料も必要ありません。

所得税法上、16歳以上の扶養親族がいる場合には、扶養控除が認められます。扶養親族とは、生計を一にする親族のうち、年の所得金額が38万円以下のものをいいます。ただし、青色事業専従者などについては、この対象にはなりません。

過去に申告を間違えてしまったため、税金を過大に納付した場合などは、一定の要件に該当すると更正の請求という手続きにより、その過大に納付した税金の還付を請求することができます。この手続きの際、押さえておくべきは、原則として税金の還付の時効は5年とされていますので、それより前の過大納付税金の還付はできないということです。

公務員の不法な行為により、損害を被ることがありますが、このような場合に考慮したい制度として、国家賠償請求があります。これは民法上の不法行為に係る損害賠償の公的機関版とも言える制度です。
国家賠償請求を行うためには、公務員の不法行為があってから、原則として3年以内に請求を行う必要があります。

ビックカメラなどで買い物をするとお得なポイントがたまり、そのポイントで再度買い物ができる。このように、ポイントは現在の商取引において非常に多く使われていますが、残念なことに税制はこのポイントの課税問題に関し、全く明確ではありません。このため、税務を担当する我々税理士にとって、ポイントをどのように取り扱うか日々問題になっています。

相続税の節税で最も重要な特例として、小規模宅地の特例と言われるものがあります。小規模宅地の特例は、被相続人が居住の用に供していた宅地など、一定の宅地について同居していた相続人が承継して居住を継続するような場合には、最大で80%の減額を認めるというものです。このような宅地について相続税が課税されるとなると、今後の生活に大きな影響があるため、この特例が認められています。
小規模宅地の特例のうち、最も使われるのが居住用宅地(特定居住用宅地等)に関するものです。この特定居住用宅地等については、先の通り同居していた相続人が承継する場合のほか、家なき子特例と言われる特例があります。

相続税において土地を評価する場合、原則として路線価を基準に計算することになります。路線価とは、その土地が面している路線につけられた価格をいい、毎年国税が公表しています。相続税における土地の評価額は、その土地が面する路線の路線価を基準として一定の調整を加えた金額に、土地の地積をかけて計算するのが大原則です。
路線価は相続税の評価上用いられる価格ですので、完全な時価とは言えませんが、参考になることは間違いありませんので、土地の取引を行う場合にも一つの指標として用いられています。

現状、事業承継対策において有効なツールと言われているものの一つに、信託があります。信託は、生前の被相続人の意思を的確に事業承継に反映できるツールですので、相続税対策というよりもむしろ、相続対策として使われる傾向が大きいと言われます。
しかし、中には信託を相続税対策にも使っている、というケースがあります。なぜ信託が相続税対策に活きるかと言えば、信託により発行される信託受益権について、複層化できるという性格があるからです。

税務署のシステム上、法人を実況区分によって管理しています。この実況区分ですが、法人はすべて「第1グループ」「第2グループ」「第3グループ」の3つに区分しています。
国税の資料を見ると、第1グループは、適正な申告を継続している法人をいい、このような法人は悪質な不正計算が想定される場合などを除き、実地調査は行われないとされているようです。一方、第3グループとは、不正計算を行う常習犯や実地調査で不正が発見されなかったが多額の申告もれが想定される不審な会社などが該当するようで、今後も深度ある調査が実施されるとされているようです。
なお、第1グループにも第3グループにも該当しない法人が第2グループで、いわば中間の法人と言えます。

税金の計算上、所得の帰属という問題が生じる場合があります。具体例を申しますと、例えば会社の従業員が、会社の名義を利用して取引先からリベートをもらって私腹を肥やしていた場合、そのリベートは従業員の所得になるか、会社の所得になるかが問題になります。

これだけ聞くと、リベートを貰っているのは従業員なので会社は関係ない、とお考えになるかもしれませんが、取引先は会社のバックボーンがあるからこそその従業員にリベートを払ったという側面があることは否定できません。結果として、会社の所得になるか従業員の所得になるか、往々にして問題になります。

経営上、会社の財務状況をよくするため、増資を行うことがあります。増資とは文字通り資本金を増やすことを言いますが、中小企業の場合、増資と言えば株主割当増資と第三者割当増資の二つがあります。
株主割当増資とは、既存の株主に新株式の割当を受ける権利を与えて受ける増資をいい、第三者割当増資とは、取引先など既存の株主以外に新株式の割当を受ける権利を与えて受ける増資をいいます。
税務上、問題になるのは第三者割当増資です。なぜなら、第三者割当増資に該当すると、新株主に大きな利益を与える場合があるからです。