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相続税の税務調査において、最も多く国税から問題にされるのは、名義預金です。本当は被相続人の預金であるにもかかわらず、配偶者や子供名義で預金を作り、名義が違うことから被相続人の相続財産から除く、という相続税対策がよく見られますが、国税は名義に関係なく、実質的に被相続人の預金と言えるのかを問題にし、被相続人のものと認定できるのであれば、被相続人の名義預金として相続税を課税することになります。

居住用財産を売却した場合に、譲渡所得から3千万円の控除が認められるという特例がありますが、この判断で往々にして問題になるのは、「居住」の用に供していたかどうかの判断です。居住している、という判断を前提にすれば、一般的には住民票で見れば足りることになると考えがちですが、住民票は絶対的な基準ではありません。実際のところ、引越ししても住民票を変えない場合もありますが、実際に居住をしていたのであれば、居住用財産として、3千万円控除の対象とすることができるとされています。なお、住民票の住所とマイホームの所在地が違う場合には、戸籍の附票の写しなど、マイホームを居住の用に供したことを明らかにする書類を確定申告書に添付しなければならないとされています。

マイホームを売った場合、押さえておくべき特例として、居住用財産の3千万円控除というものがあります。これは、所定の要件を満たすマイホーム(居住用財産)の売却について、その譲渡益から3千万円を控除できるという制度であり、この特例を確定申告で適用することで、譲渡所得を大幅に圧縮することができます。

6年ほど前の事例ですが、違法スレスレの税務調査を行うと有名な、大阪国税局の税務調査において、調査官の威圧や誘導があったと国税不服審判所から認定された事件があります。この事件においては、調査官が事実に反する内容の回答をさせたり、隣室の会議に支障が出るほどの怒鳴り声を挙げたりしたことが明らかになっています。
国税不服審判所や裁判所は、基本的には国税の味方なので、違法スレスレの税務調査が行われていても国税に問題はないと判断することがほとんどです。しかし、この事件はそれと真逆の判断がなされているわけで、非常に大きく報道されました。

税務調査対策に強いと宣伝する税理士の多くが、税務調査に協力すれば、早く調査を終わらせることができると解説しています。ここでいう税務調査に対する協力は、調査官が見たい資料を素早く提示すること、そして調査官の質問に嘘偽りなく迅速に回答することを意味しています。調査官が税務調査を円滑に行えるよう協力すれば、その見返りとして負担がかかる税務調査を調査官が早く終わってくれる、こんな解説がなされています。

実務上、相続税対策の一環として、親から子にアパートやマンションなど、不動産投資をしている物件を贈与することがあります。相続財産を減らしたり、不動産投資の収益を子に渡すことで納税資金を作ったりする目的でこのような贈与を行うわけですが、注意しておきたいのはその投資物件に係る敷金です。
アパートやマンションを賃貸する場合、賃借人から敷金を預かりますが、この敷金は将来賃借人に返すべきものですから、負債となります。この敷金を返済する義務については、賃貸している建物の所有者が変わる場合、建物の新所有者に当然に移転するとされています。つまり、親から子にアパートを贈与すれば、親が賃借人に返還すべき敷金についても、同時に子に移転することになります。

財産を贈与した場合、その財産については贈与税の対象になりますが、この贈与の一種として、負担付贈与があります。通常の贈与は、何らの見返りもないものですが、負担付贈与は、贈与を受ける受贈者に、一定の債務を負担させることを条件とした贈与をいいます。
具体的には、200万円の車を贈与する代わりに、贈与者が持っている50万円の借金について受贈者が引き受ける、といった条件付きの贈与をいいます。

所定の要件を満たす、タックスヘイブンに所在する子会社の所得に対しては、親会社である日本法人の所得金額として課税される場合があります。この制度をタックスヘイブン税制といいますが、タックスヘイブン税制については、平成29年度改正で総合的な見直しがなされることになりました。
この制度は非常に複雑なので詳細は割愛しますが、注意したいポイントとして、適用除外基準に係る立証責任の改正があります。

リオオリンピックを機に引退した元パラリンピックの金メダリスト マリーケ・フェルフールトさんが、夢だったという日本への観光を目的に4月21日に来日した。マリーケ・フェルフールトさんは元々輝かしい成績をおさめたパラリンピアンとして注目を集めたが、それ以上に彼女がメディアで取り上げられるようになったのは、引退後の「安楽死の準備を整えた」と公表したことがきっかけになっている。彼女はその発言に対して、すぐに安楽死をするという意味ではないとした上で「豊かに生きるための安楽死」というものを世に問うために、呼び掛けたとのこと。
ちなみに安楽死は一部の国で合法とされている。日本では、特に積極的安楽死については、法律上明確に容認されているわけではない。しかし、医療の現場では、延命をどこまで行うのかという非常にセンシティブな問題がある。そこで今回は、積極的安楽死が、どのような条件を満たすと、違法性が無いとされるのか、医療問題に詳しい森谷和馬弁護士に寄稿して頂いた。

講演料など、ちょっとした収入が20万円未満なら、確定申告は不要。こんな話を聞いたことがある方も多いと思います。このような制度は一般的には申告不要制度と言われています。申告不要制度は実はこのような単純な話ではなく、以下の通りとされています。

「年末調整の対象になる給与の他に所得が20万円以下の場合」

個人が土地や建物を売った場合、多額の譲渡所得が課税されますが、この場合の特例措置として、土地や建物などを交換したり、事業用資産を売却した譲渡代金で、その事業用資産の代替資産を購入したりした場合、一定の要件を満たす取引であれば、譲渡所得の課税の特例が受けられます。詳細は、こちらこちらをご参照下さい。
ここにもある通り、これらの特例を使うことで譲渡所得を圧縮することができ、節税することができます。要件は厳しいですが、有効な節税策になり得ますので、専門家と相談しながら積極的な利用を考えるべき制度と言われます。

原則として、税務調査が実施される前までに自分で申告の間違いを発見して修正申告をすれば、その修正申告により修正した間違いについては、ペナルティーの対象にならないとされています。このため、従来は税務調査に入ると言われた後、実際に会社に臨場される前までに申告書を見直して自主修正をすることでペナルティーを削減するという対策が広く行われていました。
この点、税金を取ることしか考えない短絡的な国税組織はそれをけしからんと考えたため、平成28年度改正により税務調査を行うと通知した後については、原則として自主修正を認めないという改正が実現しています。この改正は、平成29年1月1日以後に申告期限が到来する国税について適用されます。

多くの中小企業は役員と株主がイコールである同族会社ですが、このような同族会社の役員が退職する場合、注意したいことは退職の際には自分の持つ株式なども処分した方が望ましい、ということです。役員を退職したため会社の経営権はなくなったとしても、株式を持っていれば、会社を支配する権限があるわけですから、実質的に見て退職したとは言えないのではないか、このような判断が税務調査でなされる可能性が大きいからです。

イオンの関連会社に勤める52歳の男性が、宿直の仮眠は勤務時間にあたると主張し、未払い残業代の支払いを求めていた裁判の判決が今月17日にでた。男性は2011年に入社し、イオンのスーパー内での警備を主な業務としていた。問題となった勤務時間や仮眠については、判決によると2013年1月から8月の間に、24時間勤務・30分休憩・4時間半の仮眠時間があったとのこと。これについて原告側は「仮眠時間でも制服を脱がず、異常があった際はすぐに対応できる状態を保ったままの仮眠で、業務から解放されなかった」と主張。それに対して小浜浩庸裁判長は「労働からの解放が保証されているとは言えない」として、原告の請求をほぼ認め、約180万円を支払うよう同社に命じた。
何かあればすぐに対応出来る状況でなければならない仮眠は、「休憩ではなく労働」ということが今回の判決のポイントとなったが、こういった問題以外にも例えば勤務時間中のトイレ休憩や、化粧直しの休憩、外勤営業中の単なる休憩などは、法律上、休憩時間とみなされるのだろうか。この問題について星野宏明弁護士に話しを伺った。

一括で多額の経費を計上することができ、かつ所得税も優遇される役員退職金については、必ず税務調査で問題になります。税務調査では、役員退職金が適正であるかどうかはもちろん、それ以上に問題になるのは退職したと言えるかどうかです。
中小企業の場合、社長が退任しても会長として会社に留まる、といったことが多いですが、この場合果たして会社を退職したと言えるのかが問題になります。職務内容が激変し、実質的に退職したと言える場合には分掌変更として退職金の支給は認められますが、それ以外の場合には原則として退職したとは言えませんので、退職金の支給は認められません。

相続税の節税の王道に、養子の活用があることはよく知られています。養子の数に制限はありますが(注:実子が居ればひとりまで、実子がいなければ二人まで)、養子を増やすことで相続税の基礎控除を増やしたり、保険金の非課税金額を増額させたりすることができます。このため、例えば娘の配偶者を養子にするなどして相続税対策をする納税者は多くいます。
この養子の節税について、先日注目すべき最高裁判決が出ています。節税目的で養子にすることが、無効と言えるのかどうかが問題になった事件です。

純金の仏像を買うと、相続税の節税につながる。こんな話を耳にされた方も多いと思います。この理由は、相続税が課税されない財産として、「墓所、霊びょう及び祭具並びにこれらに準ずるもの」が挙げられていることがあります。このような財産の一つとして、仏像が挙げられることから、純金であっても相続税の対象にはならず、結果として現金で持つよりも節税になる、と解説されています。

法人税の節税の王道として、社宅の活用があります。会社で社宅を設け、その社宅に社長が住めば、会社は社宅に係る賃料などのコストを経費とすることができます。もちろん、社宅として貸す以上は社長から家賃を徴収する必要がありますが、この家賃は同様の物件を借りる場合の相場としての賃料に比して、相当低くなりますので、かなりの社宅に係るコストを経費とすることができます。

非常に便利なフリマアプリ「メルカリ」だが、最近話題になった紙幣や領収書の出品のように、中にはその出品自体が法律に触れると指摘される商品も幾つかあり、色々と物議を醸している。
さてそんなメルカリの幅広い商品の中に、ソーシャルゲームやオンラインゲームのアカウントも含まれていることをご存知だろうか。ゲームのアカウントやアイテムなどを現金で売り買いする行為をRMTと言うが、RMT自体は多くの会社が利用規約等で禁止している。ところがメルカリではRMTが可能なのだ。
ちなみにゲームのアカウントやアイテムの所有権は、そもそもユーザーにない。ユーザーが所有していないならば誰が所有しているか。強いていうならばゲーム運営会社だろう。しかしそもそも所有権とは「もの」にのみ生じるため、ゲーム会社が持つのは著作権と言えるのかもしれない。
電子データに過ぎないアイテムやアカウントを、そもそも所有権すら保持していないユーザーが、メルカリで売買をする事自体に色々な問題がありそうだが、これが成り立つのは、やはりそのアイテムに金銭的価値があるということなのだろうか。今回はこの問題について清水陽平弁護士に伺った。

税務調査は納税者の協力の下に行われるとされていますので、調査官は納税者に配慮して税務調査を行う必要があります。この観点から認められることの一つに、税務調査の場所があります、
税務調査を実施する場合、原則として調査官はあらかじめ調査の対象期間や税務調査を実施する場所を納税者に通知しなければならないとされています。この場所ですが、調査官は納税地である会社の本店で税務調査を実施するという連絡をすることが通例です。しかし、この連絡の通り、会社の本店で税務調査を受ける必要はありません。
この連絡はあくまでも調査官の希望ですので、例えば会社が手狭のため税理士事務所で税務調査を受けたい旨申し出ればよく、このような申出があれば、原則として調査官はその希望を受け入れてくれます。