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2019年度の改正では、国税による情報照会制度が明確化されます。情報照会制度とは、事業者などに、税務調査に関して参考となるべき資料の提出などの協力を求めるものです。法律の建前では、税務調査に関する情報は、実際に税務調査を実施している納税者に関するものしか入手できないことになっています。このため、今後の税務調査を見据えてまだ税務調査を実施していない第三者に対する情報は、建前としては国税は入手できません。

2019年度改正においては、金地金などに対する消費税の取扱いが厳格化されることになりました。具体的には、以下の改正が実現します。
1 密輸品と知りながら金などを購入した場合、その金などに課税される消費税の控除ができないこととされます。
2 金又は白金の地金を購入した場合、帳簿への記載や請求書の保存に加え、本人確認書類の写しの保存がなければ、その地金に課税される消費税の控除ができないこととされます。
改正の適用関係ですが、上記1の改正は2019年4月1日以後に国内において事業者が購入する場合について、上記2の改正は同年10月1日以後に国内において事業者が購入する場合について、それぞれ適用されます。

近年、生命保険の税務においても大きな影響を及ばす節税保険について、その保険の販売を見合わせるというニュースが世間をにぎわせています。この節税保険は、保険税務の穴を突いたものので、定期保険に準じた取扱いとなり、その保険料の全額が経費になりますので大きな経費をつけることができます。

個人の確定申告の際、注意しておくべきこととして、法人の減価償却と個人の減価償却にはその取扱い上違いがあるということです。具体的には、以下の2つが大きく異なります。
1 機械などについて、原則的な減価償却の方法が定額法であること(法人は定率法)
2 減価償却費という経費の計上が強制であること(法人は任意)

とある税理士先生から聞いた話ですが、税務調査で最低限の協力しかしなかったところ、調査非協力に該当するため通報すると国税の調査官から言われたそうです。税務調査は最低限の協力で済む任意調査ですが、その最低限の協力をしなければ調査非協力に該当し、刑事罰の対象になります。
実際の対応を聞きましたら全く問題なかったため、このような指導は脅しでしかありません。ただし、税理士は国税から資格を貰っているため、このような指導を受けると心配になります。

日本で商品を売れば、当然のことながら消費税が課税されますが、同じ商品でも、国外でそれを売れば消費税は課税されません。この理由は、法律は各国がそれぞれで決めるべきものですので、日本の法律を国外で適用することができないからです。同様に、ヨーロッパの付加価値税は日本では課税されていません。
これに関し、よく質問を受けることの一つに、国外の売上に対応する経費に対して課される消費税の取扱いがあります。上記の例で言えば、国外で売った商品の仕入れを日本で行った場合、その仕入れに対しては消費税が課税されますが、この消費税を消費税の計算上控除できるかが問題になります。

前回に引き続き、消費税の増税に係る経過措置が適用される、工事の請負などの取引の注意点について見ていきます。この経過措置は、平成31年3月までの契約がベースになりますので、契約書が必ず必要になるのではないか、といった疑問があります。
この点、国税の資料を見ますと、契約書がなくとも契約が平成31年3月末までに示せる資料があれば、適用があるとされています。もちろん、税務調査で検討される話ですので、できれば契約書のような、堅い資料があった方がいいでしょう。

周知の通り、平成31年10月より消費税が10%に増税される予定です。急きょ撤回するという可能性もゼロではありませんので、どうなるかまだわからないですが、10%に増税されることを前提に対策を取っておく必要があります。
とりわけ、スケジュール通りに行けば、平成31年3月までの一定の取引などについて、消費税法の経過措置により、増税後も8%という現在の税率とされる取引がありますので、この点も押さえておく必要があります。

会社の創業記念で、従業員に記念品を授与することがありますが、このような記念品も経済的価値がある以上は、現物給与として給与課税の対象になります。ただし、創業記念品はいろいろな会社で贈られているものですので、一律にお給料として税金を取られるのも、社会常識としてはおかしな話になります。

税務調査においては、国税による反面調査が認められています。反面調査は従業員など社内の者を含む取引先を調査する調査をいいますが、このような調査をされると取引先や従業員に大きな負担になりますので、調査される納税者としては、できる限り反面調査されたくないと考えるのが通例です。
このため、反面調査については何とか差し止める方法はないか、といった話をよく聞きますが、法律的には国税の権利であるため、それを差しとめることはなかなか難しいのが現実です。

平成31年10月からスタートする軽減税率ですが、すでに現場では不安の声が聞こえてきます。軽減税率の対象になるのは、一定の要件を満たす飲食料品と新聞ですが、それぞれにいろいろな例外がありますので、実際に判断するのは非常に困難と言えます。

税理士を悩ます論点の一つに、みなし贈与があります。これは、法律的には贈与ではないものの、贈与税の課税上、贈与としてみなす行為を言います。みなし贈与の典型例として、低額譲受益があります。低額譲受益は、文字通り低い金額で資産の譲受を受けたことによる利益をいいます。例えば、時価1億円の物を1円で取得したとします。この場合、民法上は、無償ではありませんので贈与ではありませんが、実質的には贈与を受けたことと同一ですので、税法上は贈与とみなして、贈与税を課税するとしています。

去る11月22日、国税庁から仮想通貨に関する税務のFAQが公表されました。このFAQにおいて、仮想通貨を使って商品などを購入する場合の取扱いに関し、以下と解説されています。

前回、アフィリエイターの報酬の源泉徴収について述べましたが、今回はインフルエンサーの報酬について、源泉徴収が必要であるか考えたいと思います。まずは、源泉徴収が必要になる報酬の一部を、国税庁ホームページから再度挙げてみます。

税理士に対する報酬を支払ったり、原稿料を支払ったりする場合、報酬に対する源泉徴収義務が発生します。この報酬に対する源泉徴収は、個人に対する支払いについて適用されますが、フリーランサーが増えている昨今、フリーランサーの個人への支払いについて源泉徴収が必要かどうか、多くの質問を受けます。
とりわけ、疑義があるものとして、アフィリエイターやインフルエンサーに対する支払いがあります。

前回、無申告加算税を削減するノウハウとして、適当でもいいので、取り敢えずの期限内申告をしてみることを推奨する専門家がいると申しました。このような申告について、国税はあまり問題にしないので大丈夫などと言っていますが、法令上実は税理士法違反の疑いがあります。

とある税務調査の専門家が、税理士に対して取り敢えずの期限内申告という申告を薦めています。これは、顧問先企業の協力を得られず、決算に必要な資料が揃わない場合など、決算処理が難しい場合でも、取り敢えずわかる範囲で行うべきとされる申告です。
本来、法人税の申告は会社が適正に行った決算に基づいて行わなければならないとされています。このため決算ができない以上は申告もできないはずです。このため、取り敢えずの期限内申告はそんな法人税法の建前など関係なくやってしまえ、といういい加減なものです。

税務調査で申告漏れを発見するため、国税が所定の所得の支払者からその支払情報を収集できる制度として、支払調書の制度が設けられています。この支払調書として有名なものは、税理士などの士業に支払った報酬や、原稿料などの所得に対する調書です。
これらの所得は、それが個人に対する支払いである場合、源泉徴収の対象になるものですので、源泉徴収税額もその調書には記載されています。

消費税の計算上、預り金経理が認められるかが往々にして問題になります。具体的には、例えば弁護士が1万円の交通費を込みで自分の報酬を21万円と請求した場合(金額は両方とも消費税抜)、消費税の対象となる売上は、21万円となるか、1万円を控除した20万円となるかが問題になります。

消費税の計算は、原則として売上に対する消費税から、仕入などの経費に対する消費税を控除して計算されます。このような計算方法を、原則課税と言います。
消費税の計算は、原則課税以外に簡易課税という方法も認められています。簡易課税とは、売上に対する消費税に、一定の割合を乗じて計算した金額を経費に対する消費税とみなして計算する方法を言います。すなわち、消費税額を概算で計算する方法が簡易課税なのです。