会社による従業員を相手にした損害賠償請求が相次いでいる。
今年の5月、パワーハラスメントによるうつ病で退職せざるを得なかった北海道在住の男性(26)が、元勤務先の会社から「退職は詐病によるもの」と1200万円の損害賠償を求めて提訴された。
またその他に、ソーシャルゲームの開発中に退職した従業員が、会社から開発頓挫の責任を追及され、5400万円の損害賠償を請求されたケースもあった。
会社と従業員による訴訟トラブルと聞くと、訴えられる側として思い浮かぶのは従業員だろうが、勿論逆のケースも存在する。
さてそこで今回は、従業員が会社を訴える際に、会社が倒産したことを前提として、どんなケースであれば可能かを井上義之弁護士に伺った。
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「社長、今少しお時間いいですか?」ーー真剣ではあるものの、どこか後ろめたさも漂わせる表情でこのように従業員から声を掛けられたら、恐らくそれは経営者にとって、ある種の決断や覚悟を求められる内容であることは想像に難くない。
近年、そんな従業員からの申し出において増えているのがうつ病による休職申請だ。ブラック企業での過酷な労働環境が社会問題化していることを考えると当然かも知れない。
しかし実際にこのような申し出があった場合に、経営者としてどう対応するのが正しいのか。またその逆も然りで、労働者としては、どのような対応をとってもらうことが法的に問題ないのか。恐らくまだまだこの辺りの理解は不足しているのではないだろうか。そこで今回はこの問題について加塚裕師弁護士に話を伺った。
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Q&AサイトのOKWAVEで「アルバイトの退職を申し出たら少額訴訟を提訴された」というタイトルで質問が投稿された。質問者は全国チェーンの小売店でアルバイトを始めた大学生。しかし1ヶ月もすると、勉強との両立が難しくなり、次第に体調不良に。そこで大学生は、提出済のシフトを消化した段階で退職をしようと決意。
そこで勤務先に、その旨説明し、退職を申し出ると、聞いた途端に激昂した店長。結果的には退職を認めてもらえず、挙句の果てに、すぐに店に来るように凄まれたが、恐怖を感じたため断る。
その翌日、シフト通りに出勤すると、シフト表から自分の名前が消されていたため、勝手に解雇されたものだと思い帰宅。
数カ月後、裁判所から少額訴訟の損害賠償請求という内容で訴状が自宅に届く。
果たして、この訴状についてどう対応するべきだろうか、富士見坂法律事務所の井上義之弁護士に伺った。
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金銭を請求する場合、相手方から回収することができない可能性があるならば訴訟するメリットは少ない。また回収できる可能性があっても、訴訟自体にかかる費用を上回ることができないならば、これもまた訴訟するメリットは少ない。
ちなみに訴訟提起にかかる費用は、収入印紙と切手代、そして弁護士費用である。収入印紙と切手は大した費用ではないが、問題は弁護士費用である。勿論、弁護士に依頼することなく、本人訴訟をすれば、弁護士費用はかからない。しかし、書面の作成、証拠収集、出廷などを自分で行わなければならない。結局そこにかかるコストと、比べることが訴訟を提起する前に考えるべきと言える。
では今回は、訴訟自体の大変さやデメリット、また訴訟を提起する前に検討するべきポイントを安田庄一郎弁護士に伺った。
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使用者には、労働者に対して指揮命令権を持つ。労働者は、それに従うことで使用者から賃金が支払われることになっている。この成り立ちが労働契約の基本となっているが、業務命令の中には正当な業務命令とそうでない業務命令が存在する。
業務命令が不当な場合、当然ではあるが、従う必要はない。では具体的に従うべき業務命令とそうでない業務命令の境界線とはなんだろうか。
今回は出向や転勤、配置転換などを求められた場合、それを拒否したら解雇となるかどうかを加塚裕師弁護士に伺った。
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福利厚生に着目すると、しっかりとした企業かそうでないかの判断がしやすい。
最も分かりやすいのは有給だろう。つまり有給取得の条件を満たした社員が、実際に消化しているかどうかで判断するのである。有給消化の最大の敵は「空気」であり、これが社内に存在するかどうかの一つの基準となる。その他、各種手当に住宅手当や通勤手当、子供手当、産休、出産手当、育児休暇が含まれているかどうかなども一つの指標にしていいだろう。
では逆にブラック企業の可能性が高いのはどんな基準だろうか。これは間違いなく社会保険の未加入である。では健康診断を受けさせてもらえない企業はどうだろうか。今回はこの問題について清水陽平弁護士に伺った。
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「友人がお金を返してくれない」、「突然殴られて入院した」、「貸していた車を廃車にされた」、「交通事故に遭った」ーー揉め事があった場合、そもそもそれが起こった事実、またそれによって損害を被ったこと、そしてその事実と損害の間に因果関係があることを証明するのは被害者である。
被害者はそこで、立証責任を果たせないと、十分な請求が認められない可能性がある。なぜなら加害者も反論する可能性がありえるからだ。ではこれが逆に加害者に立証責任があった場合、どうなるだろうか。今回は、立証責任や主張責任、悪魔の証明などについて井上義之弁護士に伺った。
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従業員に目標を設定させ、達成した場合にインセンティブを与える。その結果、従業員のやる気が上がり、それと同時に会社も成長するというマネジメントは一般的である。
しかし、そんな制度を逆に利用したケースがあるのはご存知だろうか。それは、達成できなかった場合に何かのペナルティを負わせようとする行為である。達成させようとするための発奮材料かもしれないが、例えば、達成できなかった場合は「反省会」などと称して、その飲食費を奢らせるようなことである。
中には、達成していたとしても、会社から達成金として支給されるボーナスに狙いをつけて、奢らせようとする上司もいるようだ。今回はそんな無理矢理奢らせようとする上司の行為が、どんな罪になるのかを峯岸孝浩弁護士に伺ってみた。
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Q&AサイトのOKWAVEに「出世 上司に気に入られるかで決まる?」というタイトルで投稿があった。
質問者は、出世は上司に気に入られるかどうかによってほとんど決まるのでしょうか、と質問しており、それに対しての回答は概ね「気に入られる」とは「ごますり」ではないと回答。
つまり、会社にとって有能かどうかが気に入られるかどうかのポイントであるといった意味であるが、もしもごますりや社長の趣味嗜好で人事評価がプラスされるような場合、これは法的に問題はないのだろうか。この問題について、星野法律事務所の代表である星野宏明弁護士に伺った。
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労働者が、職場の環境改善や賃金アップなどの交渉を行うに当たって、一つの武器となるストライキ。条件を受け入れてくれなければストライキを行う、などというように交渉を有利にするメリットがある。
働く際の条件として「終身雇用を望んでいる」や「嫌ならすぐに転職する」という、それぞれの考え方はあるだろうが、今回はそんなストライキについて、ストライキ中の給料や参加したことで評価が下がるかどうかなど、高橋和央弁護士に寄稿して頂いた。
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カラ出張や残業代の水増し請求、交通費の不正受給は立派な犯罪である。しかし、これらの罪を犯す多くの人は「生活費の足しにしたかった」などと話し、キッカケもほんの出来心によるところが多いようだ。
ところがそんな出来心でこれらの罪を犯すと、詐欺罪と有印私文書偽造罪、同行使罪に該当する可能性がある。
ちなみに詐欺罪は懲役10年以下、有印私文書偽造罪と同行使罪は3月以上5年以下の懲役となっている。
今回は、カラ出張や残業代の水増し請求、交通費の不正受給がバレた場合、会社からクビにされることも有り得るのかどうかを濱悠吾弁護士に伺った。
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会社を設立すれば、経営者として代表取締役になる。また従業員から昇進して、取締役になることもある。どちらのケースも取締役としての権限が与えられるが、それと同時に責任も重くなる。そして、その中には損害賠償の責任も含まれている。つまり「労働者から訴えられる」なんてことも可能性としてはあるのだ。
今回は労働者が、経営者並びに役員を相手に損害賠償請求が認められるかもしれない4つのケースについて、企業法務に詳しい井上義之弁護士に話を伺った。
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厚生労働省によると、職場でのパワーハラスメントをこのように定義している。
「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」。
具体的には以下のような行為がパワーハラスメントに該当する。
・身体的な攻撃:暴行、傷害
・精神的な攻撃:脅迫、名誉毀損、侮辱、ひどい暴言
・人間関係からの切り離し:隔離、仲間外し、無視
・過大な要求:業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害
・過小な要求:業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと
・個の侵害:私的なことに過度に立ち入ること
もしもパワハラにあった場合、まずどこに相談すればいいのか清水陽平弁護士に伺った。
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経営者に負担を与える税務調査ですが、この税務調査が唯一感謝される機会として、従業員や役員の横領の発見があります。中小企業の場合、社内のチェックが行き届いていないこともあって、従業員や役員が経営者の目を盗んで私服を肥やす、という事態は少なくはありません。
税務調査は、会社の奥深くの状況までチェックするものですから、税務調査を機に横領が見つかる、というケースはかなり多くあります。
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使用者には、労働者に対して、指示・命令できる権利が存在する。そして、労働者はそれに従う義務を負う。 つまりその義務を果たさなければ、就業規則の懲戒項目の規定に沿って、何らかの処分が下されることになる。
例えばお茶くみを拒否したら何らかの処分が下るのだろうか。実際にあった話であるが、お茶汲みを指示された社員がそれを拒否し、解雇されたケースがあった。その社員はお茶汲みを拒否したことが解雇につながるのは不当であると訴えた。結果的に裁判所は「お茶くみは業務ではない。業務でない命令だから拒否しても問題ない」とし、解雇を無効とした。
実は業務命令を拒否した場合の解雇基準は明確に決まっていない。つまり、正当か不当か争うことになった場合、最終的に裁判所が判断することになる。しかし、大体の枠組みは存在する。今回は、その判断枠組みについて加塚裕師弁護士に伺った。
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近年、勤怠管理はインターネットを通して行われるようになり、個人情報保護の徹底とともに、自分自身の勤怠データすら持ち出すことが難しくなっている。
ではもしも、そんなケースで残業代請求をしようとする場合、どうすればいいのだろうか。
以前、「残業代請求にメモは効果的か?」と題したコラムを更新した。そこで峯岸孝浩弁護士は、毎日の出退勤の時間だけでなく、どんな業務を行っていたのかなどの詳細も合わせて書き残しておくことで証明力が高まると話していた。
これ以外に、勤怠データの持ち出しが難しいケースではどうすればいいのかを再度、峯岸孝浩弁護士に伺ってみた。
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ミスは誰だって有り得るもの。そのミスを反省して、次に活かせばいいだけなのだが、たった一度のミスが会社に多大な損害を与えてしまうこともあるだろう。その場合、会社からその損害全部を補填するよう要求されるかもしれない。こんな時に慌てずに対応するためには、そもそも業務上のミスで損害を与えた場合の従業員の法的責任について知っておくべきだろう。今回は井上義之弁護士に伺ったみた。
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まだまだ対応が遅い、と言われるところでもありますが、平成28年1月より、マイナンバー制度がスタートします。マイナンバー制度は、国民一人ひとりに割り振られる12ケタの共通番号です。共通の番号があるからこそ、これをベースに社会保障や税の分野において、効率的に行政は国民の情報を管理することができます。
共通の番号が付されることにより、行政において国民の所得や行政サービスの受給状況の把握が非常にやりやすくなるため、生活保護の不正受給のような問題が相当解決されると言われています。
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