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経営上、最も重要な役員報酬については、原則として定期同額給与でなければ経費にならないという取扱いが設けられています。この定期同額給与は、以下の3パターンからなります。
1 事業年度中毎月、同額である給与
2 所定の要件を満たす改定による給与で、事業年度開始日~改定の直前、改定の直後~事業年度末日までが、それぞれ同額であるもの
3 役員が支払うべき保険料を会社が支払うなど、所定の経済的利益でその利益額がおおむね同額であるもの

法人税は事業年度ごとに納税を行いますが、ある年度は赤字、またある年度は黒字となり、利益状況は事業年度によって異なりますので、利益に対して課税される法人税の額も、年度によって異なります。こうなると、会社にとっては年度ごとの資金繰りに問題が生じますので、その影響を緩和するために、欠損金の繰越控除と欠損金の繰戻還付という二つの制度が設けられています。
欠損金の繰越控除は、過去の年度に発生した赤字を当期の黒字と相殺するものであり、欠損金の繰戻還付は、前年度などに発生した黒字について納税した法人税額につき、当期に発生した赤字があれば、その一部を還付するものです。

法人税の節税として、真っ先に思いつくものは短期前払費用です。短期前払費用の適用を受けると、支出時から1年分が法人の経費となる訳ですが、短期前払費用については、以下の要件を満たす費用である必要があります。

相続税対策として、アパートを建てるといったことがよく行われます。この理由は、他人に土地を貸したり、建物を貸したりすると相続税の対象となる評価額が下がるからです。具体的には、建物を貸す場合、建物の評価額を原則として30%下げることができます。一方で、土地を他人に貸せば、借地権割合という割合分、土地の評価を下げることができます。

報道などでよく言われることでもありますが、相続税対策として、手持ちの現金預金を使って土地や建物を購入すると都合がいいです。この理由は、現金預金は相続開始時点の金額そのままで評価され、相続税が課されるのに対し、土地や建物は原則として土地は相続開始時点の8割、建物は7割くらいで評価され、相続税が課税されます。
このため、例えば1億円の現金を持っている場合、土地を購入するだけで2千万円くらいは評価額を下げることができます。

最近、ビットコインに関するニュースが新聞紙面をにぎわせていますが、ビットコインに関する税務は、ほんの少し前まで全く整備されていませんでした。昨年、資金決済法という法律が改正され、ようやくビットコインなどの仮装通貨に関する取扱いが法令上明確にされました。これに伴い、消費税や所得税について、取扱いが明確になっています。

使用人兼務役員という役員をご存知でしょうか。この役員は、一般的には取締役~部長のような肩書きを持つ役員を言います。~部長という肩書きに大きな特徴がある訳ですが、このような肩書きは一般的には役員以外の使用人の肩書きになります。つまり、使用人兼務役員とは、文字通り使用人としての側面と、役員としての側面の両方を持つ役員を言います。
ただし、取締役~担当のように、使用人の部分がなく、あくまでも役員として部署を統括するにすぎない役員は、使用人兼務役員ではありません。
この使用人兼務役員については、法人税の節税に大いに役立つと言われています。

法人税には、使途秘匿金課税というとんでもない課税があります。使途秘匿金とは、相当な理由なく、支払先を国税に明かさない費用をいいます。このような使途秘匿金の支出があれば、赤字か黒字か関係なく、その支出額の40%の法人税がかかります。
このような費用を認めるとなると、脱税の温床になるだけでなく、税以外の犯罪などにもつながる可能性がありますので、非常に厳格な規定が設けられているのです。

法人の税金の計算上、交際費は原則として経費にならないとされています。具体的には資本金1億円超の会社などは原則としてその全額、それ以外の会社は年800万円を超える部分が経費になりません。
一方で、個人事業主の交際費については、このような制限は法律上設けられていません。このため、交際費がずば抜けて多い、フリーランスのトップクラスの営業マンについては、敢えて法人化せず、個人として交際費を全額経費とした方がいいと言われます。

代表的な節税方法の一つに、短期前払費用の特例があります。この特例は、前払費用のうち、その支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合において、その支払った額に相当する金額を継続してその支払った日に経費としていれば、その段階で経費とすることができる、というものです。
この代表例は家賃です。例えば、12月決算の会社が今年の12月に来年1年分の家賃を前払いした場合、本来その前払した家賃は翌年の経費となるべきものですが、支払った今年12月において全額経費とすることができます。

税務調査で最も多く寄せられる質問の一つに、「税務調査で調査官がどこまで資料を確認できるか」ということがあります。これについては、原則として、税額の計算に関係する資料について、調査官は会社の資料を確認することができる、ということが正解になります。税額の計算に関係する資料だけ、というのがポイントで、税務調査は税額の計算が正しいかどうかを判断するために行われますから、法人の税金の計算に明らかに関係ない私物などを見せる必要があります。
ただし、「原則として」と一言付しております通り、これには例外があり、納税者が調査官に許可を与えれば、調査官は経営者の私物など、法人の税金の計算に関係ない資料についても見ることができます。このため、見せるべき資料は見せ、見せる必要のない資料については、見せることを拒否する必要があります。

過去の赤字である欠損金は、現行制度上、将来9年(平成30年4月1日以後に開始する事業年度において生ずる欠損金額は10年。以下同じ)にわたり、黒字と相殺することができます。言い換えれば、9年超の欠損金は切り捨てられることになりますが、その例外として、一定の場合には、9年超前の欠損金(期限切れ欠損金)を経費とすることができます。

言うまでもないことかも知れませんが、印紙税は日本の税金ですので、外国の契約書に対して印紙税を課税することはできません。ここで問題になるのは、外国で作成される契約書の判断基準です。この基準は、印紙税の対象になる文書の作成時点が外国かどうかで判断することになります。
文書の作成時点ですが、これは大きく分けて二つあります。契約書など、甲乙両方の署名押印が必要な文書は、その両名の署名がなされた段階を意味し、領収書など、一方が相手方に交付する文書については、その交付の段階となります。

前回、権利金のやり取りがない借地権の課税関係について述べましたが、このうち貸主・借主が共に個人である場合、原則として贈与税の課税関係が生じることになります。原則として、と記載しましたが、実際のところ贈与税が課税されることはほとんどありません。

相続税に限った話ではありませんが、税務上、借地権の処理が問題になることが多くあります。建物などを立てるために地主から土地を借りた場合、税務上、借りた借地人は自分の土地の権利として借地権を認識することが通例です。この借地権ですが、他人間では権利金などという名目で取引されることもあります。
しかし、例えば地主が社長、借地権者(借主)が自分の経営する同族会社、といった場合、わざわざ権利金を支払うことはないでしょう。本来支払うべき権利金が支払われないとすれば、その分地主は損をして借地権者は得することになりますから、税務上は何らかの課税問題が生じることになります。
ただし、この借地権の課税問題は非常に複雑で、税理士も正確に理解している者があまり多くはありません。

前回、無利息でお金を貸した場合の取扱いについて解説しましたが、実は前回の取扱いは、貸主及び借主の両方が個人である場合の取扱いです。実は、貸主と借主、それぞれが個人か法人かで微妙に課税関係が変わってきますので、注意が必要です。
なお、個人間の場合には、無利息貸付を受けた個人について、贈与税の課税関係が発生する場合があります。

贈与税でよくある問題点の一つに、贈与か貸付か、という話があります。親子や兄弟間でお金を貸し借りすることはよくありますが、親子であれば返済について取り決めず、お金がある時に返済すればいい、こんな形でお金を融通することが多いと思います。
この場合、返済を求めない以上は、貸付ではなく贈与に当たると国税が認定して贈与税の対象になる、と指導されることがあります。こうなってしまえば、貸し付けたはずの元金の全額に贈与税が課税されてしまいますから、後日の証拠として、金銭消費貸借契約書を作成するとともに、きちんとスパンを決めて返済するようにしましょう、と言われます。

国税職員が最も恐れることは、毎年7月に行われる人事異動で、パワハラを行う上司に配属されることです。本来、このようなパワハラを行う上司は組織から根絶するべきですが、性格に問題があっても公務員ということで首にすることも難しいからか、往々にしてそれが見逃されています。
パワハラが多い理由の一つに、国税組織が職人の世界であることが挙げられます。調査官は税務調査に係るスキルを持つ職人である、と考える職員が多くいます。職人の世界であれば、上司が部下を厳しく指導することが往々にしてある訳で、その指導が行き過ぎてパワハラに発展することもよくあります。

会計検査院という組織は、税務署にとって天敵です。税務署では、毎年年末や春先に、かなり大きな会社の申告書の内容の見直しを税務調査の担当部署を中心に行いますが、このような見直しを行うのは、毎年この時期に、会計検査院が税務署に調査に来る可能性があるからです。
会計検査院は、税務署ごとの納税者のうち、所定の要件を満たす大きな会社については会計検査院該当の法人として、管理しています。会計検査院該当の法人については、納税者に申告書を複数提出させるなどして、会計検査院にも申告書を送付することになっています。
会計検査院は、このような会計検査院該当の法人の申告書について、税務署の処理状況のチェックを行うために、わざわざ税務署にきて、内容の確認を行うのです。

顧客の紹介を受けて紹介料を支払ったり、ビジネスに活かすため取引先などの情報の提供を受けて情報提供料を支払ったりすることがあります。このような紹介料や情報提供料については、事業活動上必要な経費であることは間違いありませんが、税務上の取扱いとしては、交際費に該当するとされる場合があります。交際費となると、大企業は原則としてその全額、中小企業は800万円を超える金額が経費になりませんから、税務上大きな負担につながる可能性があります。